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友の花道、つないだたすき 田中希実選手、同学年で駅伝チーム

2022年1月27日 16時00分 (1月27日 16時00分更新)
同学年の選手とチームを組み、選抜女子駅伝北九州大会に出場した田中希実選手(右)、高松智美ムセンビ選手(左)ら=高松選手提供

同学年の選手とチームを組み、選抜女子駅伝北九州大会に出場した田中希実選手(右)、高松智美ムセンビ選手(左)ら=高松選手提供

  • 同学年の選手とチームを組み、選抜女子駅伝北九州大会に出場した田中希実選手(右)、高松智美ムセンビ選手(左)ら=高松選手提供
  • トップでゴールするアンカーの田中選手=23日、北九州市で
 ともに競い、高め合った友に花道をつくりたい−。東京五輪の陸上女子1500メートルで八位入賞した田中希実(のぞみ)選手(22)=豊田自動織機TC所属、同志社大四年=が、大学卒業を機に競技を引退する高松智美(ともみ)ムセンビ選手(21)=名城大=ら同学年の選手とチームを組み、北九州市で二十三日に開かれた選抜女子駅伝北九州大会を走った。普段は一人で黙々とトラックの戦いに挑む女子中距離のホープ。先頭でゴールテープを切り、仲間の門出を祝った。 (山内晴信)
 「せっかくやから、みんなでたすきをつなごう」。昨年十一月、同学年のライバルたちに無料通信アプリ「LINE」でメッセージを送った。皆、大学四年生。「卒業の区切り。良い経験になる」と、四年前に二十歳未満の世界選手権(フィンランド)に出た選手を中心に駅伝のメンバーを集めた。チーム名は「名城大・豊田自動織機TC連合」。同じく同志社大に通う豊田自動織機TCの後藤夢選手(21)、名城大の井上葉南(はな)選手(22)、和田有菜(ゆな)選手(22)に声を掛け、オープン参加の段取りを整えた。
 特に熱望したのが、高松選手の出場だった。中学時代から何度も同じレースでしのぎを削った。中学三年の時、全国大会で初めて高松選手に勝ったのは今でも最高の思い出の一つ。でもトラックを離れると、別々のチームでも仲の良い友達だった。
 「智美ちゃんと一緒に走れるレースは、勝っても負けても楽しい」。二〇一九年のアジア選手権(カタール)ではともに代表に選ばれ、同部屋になった。たわいもない話で盛り上がり、一緒に食事をするのが、苦しい遠征での癒やしだった。
 自ら用意した友のラストランの舞台。一区(5・3キロ)を任された高松選手は六位だったが、後続が徐々に順位を上げて二番手でアンカーの田中選手へ。五輪代表としての貫禄を見せる走りで先頭に立ち、仲間の輪に飛び込んだ。
 孤独な戦いに身を投じてきた田中選手は「陸上を通じて人とつながれると再認識できた。寂しい気持ちもあるけど、みんなとの仲は深まった」と声を弾ませた。高松選手は「のんちゃん(田中選手)がいなかったら陸上を続けていなかった。最後に好きな友達とたすきをつなげて幸せでした」と語った。生涯の友と分かち合った最初で最後の喜びを胸に、今春からそれぞれの道を歩む。

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