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映画「おしょりん」来秋公開 県眼鏡産業の祖 発信 

2022年1月27日 05時00分 (1月27日 09時55分更新)

映画「おしょりん」の撮影開始を発表し、福井のものづくりへの熱い思いを語る新道委員長(中)ら=26日、福井市のザ・グランユアーズフクイで(山田陽撮影)

 制作委発足、来月から撮影 開業記念

 福井の眼鏡産業の祖とされる増永五左衛門、幸八兄弟の挑戦を描く小説「おしょりん」の映画化に向け県内自治体を中心にした制作運営委員会が二十六日に発足した。撮影は二月から開始し四月に本格化する。二〇二四年春の北陸新幹線金沢−敦賀開業記念との位置付けで、二三年秋の作品公開を目指す。 (北原愛)
 委員長には、繊維資材製造・販売「SHINDO」(あわら市)の新道忠志代表取締役会長CEOが就任。福井市のホテルフジタ福井内のザ・グランユアーズフクイで、会見した新道委員長は「眼鏡を福井のものづくりの精神、努力の象徴として、全国に福井の技術や人情を発信したい。オール福井で成功させる」と力を込めた。県眼鏡協会の谷口康彦会長と、総合商社フジコンホールディングス(鯖江市)の藤田徳之社長が副委員長に就いた。
 県内各地の観光地やグルメをPRするプロモーション動画も合わせ、映画は一時間五十二分。全国百五十のスクリーンで公開し、観光誘客につなげたい考え。製作費は一億七千万円を見込む。ロケはすべて県内で行う予定。
 会見には、眼鏡フレーム製造・販売の増永眼鏡(福井市)から、五左衛門のひ孫に当たる増永宗大郎社長(49)も参加。えちぜん鉄道のアテンダントが主人公の映画「えちてつ物語」に続き、メガホンを取る児玉宜久監督は「家族を守ろう、不自由させたくないという思いやりの積み重ねが、福井にいろんな産業を根付かせた。家族の物語としてつくりたい」と語った。
 脚本は、NHK連続テレビ小説「てっぱん」を手掛けた関えり香さん=越前市出身。プロデューサーの河合広栄(ひろえ)さん(48)=勝山市出身=は「小さな村から世界に広がった眼鏡のように、日本文化の象徴として海外の方にも喜んでもらえる作品になれば」と話した。
 撮影に当たり県内でエキストラの募集などを行う。制作運営委員会は福井市麻生津、鯖江市立待各地区の住民有志も含めて二十四社・機関で構成している。

小説「おしょりん」に込めた思いなどを話す藤岡さん=26日、福井市のザ・グランユアーズフクイで(山田陽撮影)


「増永兄弟の挑戦を全国に」小説執筆藤岡さん

 明治時代の麻生津村(現福井市)を舞台にした「おしょりん」。二十六日の会見には、小説を執筆した小説家の藤岡陽子さん(50)=京都市在住=も同席し、「コロナ禍の今こそ、勇気や強い心を持って挑戦をやめない増永兄弟の物語が全国に広がれば」と願った。
 おしょりんとは福井の古い方言で、早春の朝に積雪の表面がいてつくこと。物語は、冬の農閑期に新たな産業を興そうと羽二重産業で失敗した増永五左衛門と眼鏡づくりを提案した弟・幸八、五左衛門の妻・むめを軸に進む。藤岡さんは「長女が初めて眼鏡を着けた八年前、二人で眼鏡の歴史を調べた。やったこともない産業を立ち上げようとした兄弟の勇気に心打たれ、母が福井出身ということもあって執筆を決意した」と話した。時代小説は自身にとっても初めての挑戦だった。
 むめを通じて描かれる明治時代の女性の生き方も見どころの一つ。「見合い結婚をしたむめと五左衛門さんが、どう愛を育んでいくかも注目」と話した。

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