新大関・御嶽海 伝達式の口上に込めた、中学時代の恩師と地元への感謝の想い「絶対使いたかった」
2022年1月26日 20時06分
日本相撲協会は26日、大相撲春場所(3月13日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇御嶽海(29)=出羽海=の大関昇進を満場一致で正式決定した。長野県出身の新大関誕生は1795年の雷電以来、227年ぶり。東京都墨田区の出羽海部屋で行われた伝達式で、御嶽海は感謝の思いを口上に入れて決意を述べた。
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ややこわばった表情ながら、はっきりと、そして熱い思いを込めて述べた。大関昇進決定を使者から告げられると、御嶽海は「大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道にまい進してまいります」と力強く口上を述べた。
使者が来る前から普段の笑顔はなかった。口上の練習なのか、マスク下で口をもごもご。何度も水を口にし、落ち着きのない様子だった。何度も修羅場をくぐり抜けてきたとはいえ、厳かな雰囲気はやはり別次元。それでもやりきり「満点です」と笑顔で自己採点した。
注目された口上に、難しい四文字熟語などはなし。中学時代の指導者・安藤均さん(63)の教えで「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉を大事にしている。その安藤さんへの気持ちを忘れないように、との思いから「感謝」の言葉を口にした。
自分の持ち味というフレーズは地元・木曽町中学校にある石碑からだ。かつて出羽海部屋に所属していた28代木村庄之助の「自分の持ち味をいかせよ」との言葉が刻まれており、「絶対これを使いたかった」と引用した。
鳴り物入りで角界入りしながら、入門から7年かけてようやく大関にたどり着いた。小学校時代に受けたテレビインタビューでは、横綱ではなく大関になりたいと語っていた。それも長野出身らしく、伝説的大関の雷電を思い浮かべたから。ようやく夢をかなえた。
春場所からは1横綱3大関となるが「一番目立って、一つ上の番付(横綱)があるので、そこを目指して頑張っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。初場所の強さは圧巻だった。「大関の地位でも優勝したい」。まずは大関でV。そして綱を目指す。
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