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<タイムカプセル> 名古屋工業大准教授・伊藤孝紀さん(47)

2022年1月26日 05時00分 (1月26日 05時00分更新)
伊藤孝紀さん

伊藤孝紀さん

大事故が転機に


 祖父が薬学の教授、両親も薬剤師という一家に生まれましたが、環境に流されず、自分なりの道で身を立てたいと思っていました。
 最大の転機は高校2年の2月。スキー旅行の帰り、長野県の中央道で、乗っていた車が雨でスリップ。路肩に横転し、車の屋根が吹き飛ぶ大事故でした。同県駒ケ根市の病院で目を覚ましたのは4日後。搬送先の当直医が偶然、脳外科の先生だったおかげで一命を取り留めたと聞きました。
 受験に間に合わないかもしれない−。目的を見失いかけた入院中に駒ケ根の雄大な山々を眺めていると、「自分は社会に貢献するために生かされているんだ」と考えるようになりました。幼少期に祖父から「徹底的に観察しろ」と教わって得意になった美術と、好きだった数学や物理を生かし、建築や都市デザインの道を目指すと決意。計3回の大手術の合間に高校に通い、現役で進学しました。
 「一度は死んだ命だから」。学生時代はいい意味で怖い物知らずでした。印象に残るよう真っ赤な封筒と名刺を作り、自治体や企業に飛び込んで街づくりに関するアイデアをアピールしたり、雑誌の発行に携わったり。精力的に活動しているうちに、今の立ち位置にたどり着きました。
 困った時でもブレないように「決断、行動、努力、継続、想(おも)い」の5点を大切にしています。皆さんには、等身大の自分を見つめ、社会のために何ができるかを意識してほしいです。 (聞き手・久野賢太郎)

いとう・たかのり 三重県桑名市出身。建築や空間デザイン関係の知見が豊富で、各地の再開発や街づくり事業にも専門家の立場から参画している。


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