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【AKI猪瀬コラム】今年2回目のMLB労使交渉「選手会が譲歩」でかすかに見えたトンネルの出口

2022年1月26日 05時00分

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選手会との交渉に向かうMLBのダン・ハーレム副コミッショナー(中央)ら(AP)

選手会との交渉に向かうMLBのダン・ハーレム副コミッショナー(中央)ら(AP)

 米国時間24日にニューヨークの選手会事務所で今年2回目となる労使協定交渉が行われました。前回の交渉はリモートで交渉時間はわずか数十分で決裂したのに対し、今回は対面による交渉で2時間以上、話し合いが行われました。
 前回、MLB機構からの提案を退けた選手会が対案を提示して行われた今回の交渉には、選手会のリーダーの一人、アンドルー・ミラー投手、機構側からはロッキーズのオーナーであるモンフォートら限られた少人数で行われました。今回の交渉を終えて米国内では「選手会が譲歩」というタイトルで速報が報道されています。
 関係者によると、今回の交渉で選手会はFA取得年数の短縮や29歳6カ月以上の選手にFA権を与える提案と小規模マーケットの球団に対して支払われている分配金を1億ドル(約114億円)削減、新たな分配金を3000万ドル(約34億2000万円)にする提案を取り下げました。この譲歩を受けて、選手会と機構は26日も対面式の交渉を継続することに合意しました。短時間で決裂してきた今までの交渉過程からすると、ロックアウト前後で初めて建設的な意見交換が行われたようですが、ようやく最初の一歩を踏み出したに過ぎません。
 (1)最低年俸を57万500ドル(約6500万円)から77万5000ドル(約8800万円)に引き上げる(2)ぜいたく税の課税ラインを年俸総額2億1000万ドル(239億4000万円)から2億4500万ドル(279億3000万円)に引き上げる(3)ドラフト制度の改革―など、選手会が求める案件は、いまだ山のように積み上がっています。しかし、今回の交渉を終えて、米国内ではロックアウト解消に向けて楽観的な雰囲気があることも事実です。
 米国時間12月1日に交渉が決裂して翌2日にロックアウトに突入しましたが、その時、MLB機構は選手会が提案した数多くの案件のうち、3つの案件をすぐに削除することをオファーしましたが、選手会が拒否。その3つの案件とはFA権の短縮、分配金改革、年俸調停改革でした。今回、そのうちの2件について選手会が譲歩したことが、楽観論のベースになっているようです。交渉期間は残りわずかです。かすかに見えたトンネルの出口の光りは、大きくなっていくのでしょうか。(大リーグ・アナリスト)

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