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出場決まれば昭和、平成、令和の3元号での甲子園となる聖隷クリストファーの名将【センバツ】

2022年1月25日 18時48分

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3つの元号での甲子園出場が懸かる聖隷クリストファーの上村敏正監督

3つの元号での甲子園出場が懸かる聖隷クリストファーの上村敏正監督

 第94回センバツ高校野球大会(3月18日から13日間・甲子園)の出場校が28日の選考委員会で決定する。一般選考(明治神宮大会枠1校を含む)の29校と「21世紀枠」の3校の計32校が選ばれる。東海、北信越地区の一般選考で選出が有力な4校の監督を紹介する。また21世紀枠の最終候補に入った相可(三重)と丹生(福井)の両校も吉報を待っている。
   ◇   ◇
 聖隷クリストファー(静岡)にとって初の甲子園出場が確実でも名将は冷静だ。上村敏正監督(64)は「これまでも力のないチームを率いてきましたが、今年のチームはこれまでで一番。ここまで来られたことがまさかですから」。グラウンドには鋭い眼光を光らせながら顔には柔和な笑みを浮かべた。
 母校・浜松商を率いて春夏7度甲子園に出場。2009年には掛川西(同)の監督としてセンバツに出ると「もういいでしょ、野球は」と一度は一線を退く覚悟が決まった。転機は59歳の時に患った3度目のがん。入院中にかつての教え子や関係者が見舞いに訪れ「やっぱり野球をやりたい。生き残った命ならもう一回野球にかけてみよう」と情熱が再び湧いてきた。甲子園出場経験のない聖隷クリストファーからのオファーを受け、17年から指揮を執る。
 指導者として「自信が確信に変わった」と話す体験は浜松南監督時代だ。00年に同校監督に就任。4年ぶりとなる念願の現場復帰だったが、グラウンドにはマウンドがなく、進学校なだけに練習時間も限られていた。恵まれた状況ではない中、5年間で県西部地区大会で優勝するまでにチームを強化。「自分のやってきたことは間違いなかった」と甲子園には届かなかった高校での成功体験が今も指導のベースになっている。
 昨秋の東海大会は2試合連続で9回逆転勝ち。エースと正捕手がけがで万全でない逆境をはね返してセンバツ切符を確実とした。自身の現役時代の3年夏の静岡大会でも6試合中5試合が逆転勝利。「逆転の浜商」と言われたDNAは、監督として率いるチームにも受け継がれている。
 かつては厳しい声を飛ばした指導も今は鳴りを潜める。「年を取って自然とそうなったんですよ」。時代に合わせて指導方法を変えたつもりはないが、冬場の練習で最後に行うランメニューは変わらない。「苦しい時にどれだけ自分を追い込めるか。嫌なことをすることで精神的に強くなる」と土壇場での勝負強さの源になっている。
 センバツ出場が決まれば監督として昭和、平成、令和の3元号での甲子園出場となる。「それは全然意識してないですよ」と笑って受け流すが、まず目指すのは甲子園での1勝。監督として3元号勝利も目の前だ。
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 ▼上村敏正(うえむら・としまさ) 1957年5月25日生まれ、静岡県二俣町(現在の浜松市天竜区)出身の64歳。浜松商3年夏に捕手として甲子園に出場し、3回戦進出。早大では準硬式野球部に入部し、卒業後に御殿場高(静岡)の監督をへて84年に母校・浜松商の監督に就任。春夏通算7度の甲子園出場に導いた。2009年には掛川西の監督としてセンバツに出場。17年秋から聖隷クリストファーの監督となり、20年からは校長も兼務する。

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