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藤枝東で規定違反常態化 県教委実態解明へ

2022年1月25日 05時00分 (1月25日 10時04分更新)
県教委の規定に反して県外生徒を受け入れていた藤枝東高=藤枝市で

県教委の規定に反して県外生徒を受け入れていた藤枝東高=藤枝市で

  • 県教委の規定に反して県外生徒を受け入れていた藤枝東高=藤枝市で
 サッカー強豪校の県立藤枝東高校(藤枝市)が、「保護者の県内在住」を入学条件とする県教委の規定に反し、少なくとも十四年以上、県外生徒をサッカー部員として受け入れていることが分かった。出願時に転居の意思を示す書類を受理しながら、実際は転居しないことを黙認していた。県外からの部員は学校近くの実質的な寮で生活するが、学校側は管理していない。県教委は事態を問題視し、他校でも同様の事例がないか、実態解明に乗り出す。 (塚田真裕)
 本紙に規定違反を巡る情報提供があった。県教委によると、県内の高校を県外から受験できるのは、保護者と一緒に転居する場合と、隣接県の自宅からの通学(静岡県内の高校の方が近い場合)と、少なくとも二〇〇八年度以降の実施要領で規定。水産科がない他県から焼津水産高へ、過疎化対策による川根高校への入学も認められている。
 県教委の担当者は理由を「県費でまかなわれる県立高校は、県民のための学校という前提がある」と指摘。各校が特色を生かすために設ける「学校裁量枠」でも、県外からの受験は同様の規定に基づく。
 藤枝東高によると、願書の受け付け時と入学後に、保護者と生徒の住所を確認している。山田淳一郎校長は取材に「入学後に保護者が転居していないことも把握していたが、家庭の方針もあり強く言えなかった」と釈明。毎年十人前後が規定と異なる状態で、黙認する状況が続いていた。
 一方、元はビジネスホテルだった学校近くの寮について、山田校長は「学校では全く管理していない。民間の経営者が運営している認識だ」と説明する。サッカー部員約百人のうち、一月現在、県外出身の二十五人と県内の遠方の四人の計二十九人が生活している。
 他県では生徒が親元を離れて生活する場合、保証人を付けて学校に届け出る制度があるが、同校にはなかった。学校の管理外の寮で事故が起きた場合、(学校生活の事故・災害への補償となる)「災害共済給付金」は支払われない。
 山田校長は「県外からの入学希望者が大勢おり、県外の生徒のおかげで活性化も図られている。今の制度の中でやれる範囲でやってきた」としつつも「グレーと言われるとグレーな状態。制度を変更した方がいいところもある」と話した。
 県教委の担当者は、保護者と転居していない実態を「実施要領の趣旨に反する」と指摘。実質的な寮となっていることも問題視。経緯を調査するとともに、他校も含めて実態を調べる方針を示した。

 藤枝東高サッカー部 旧制志太中の錦織兵三郎・初代校長がサッカーを校技に指定し、1926(大正15)年創部。57年の静岡国体での優勝を皮切りに、選手権大会や全日本ユース大会など計10回、全国大会を制し、「サッカー王国静岡」の礎を築いた。選手権の全国大会には県内最多の25回出場し、4回優勝した。元日本代表の中山雅史さん(岡部町、現藤枝市出身)や長谷部誠選手(藤枝市出身)らプロサッカー選手を輩出している。


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