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グローバル関係学で世界を見る 田原敬論説委員が聞く

2022年1月24日 05時00分 (1月24日 05時01分更新)

 コラージュ・伊藤亜美  

 二十一世紀に入り、大国の利害や戦略だけでは解けない問題が地球規模で広がっています。コロナ禍もその一つでしょう。欧米中心の世界観や国単位の視点から離れ、地球大で名もない人びとの動きや交錯に問題の根を探る。そうした「グローバル関係学」が注目されています。提唱者の一人である千葉大の酒井啓子教授に聞きました。

国家主体もはや古い 千葉大教授・酒井啓子さん


 田原 グローバル関係学とは耳慣れない言葉です。考えるきっかけは何だったのですか。
 酒井 契機は9・11(米中枢同時テロ)でした。どうして(犯行集団で国際テロ組織の)アルカイダが生まれ、なぜ米国に牙を向けたのか。それは従来の大国中心で、国家を主語にした視点では説明できません。
 私のフィールドの中東で、その後に起きた「アラブの春」やシリア難民の流出、「イスラム国」(IS)の台頭も同様です。
 看過できないのは、そうした現象が世界を揺り動かしたからです。例えば、アラブの春はすぐに米国のウォール街の占拠運動などに伝播(でんぱ)しました。
 グローバル関係学とは地球的規模の関係学ではなく、「グローバルな危機を把握、分析するための関係学」の略称です。
 理解の...

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