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不良馬場での激走に武豊も驚き…馬場適性より「優先する要素があるのでは」と思った2頭【本城雅人コラム】

2022年1月24日 06時00分

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エントシャイデン

エントシャイデン

◇コラム「ぱかぱか日和」
 馬場適性というのは競馬を予想する重大なファクターである。そのファクターを覆した例は、最近ではステラヴェローチェがいる(不良馬場のサウジアラビアロイヤルCを1分39秒6で勝利し、次走で良馬場の朝日杯FSを1分32秒4で2着)。そんな驚きの馬を、昨年は国際レースで2頭見かけた。
 1頭目は「ここ10年で最悪の馬場」と言われた昨年の凱旋門賞の3レース後、芝1400メートルのG1フォレ賞に出走したエントシャイデンだ。同馬は稍重でこそ【1024】と勝ち鞍はあるが、不良馬場では2019年のオープン特別で11着と大敗。それが海外のG1で、ゴール寸前まで先頭に立つという大善戦(3着)をしたのだ。凱旋門賞後にジョッキールームで観戦していた武豊騎手は「この馬、良の方がいいんじゃないの?」と目を丸くし、鞍上の坂井瑠星騎手は「良馬場の金杯で1分33秒4でしたからね」と昨年1月に中京コースで開催された京都金杯(3着)での好時計を例に出して、良馬場向きであると驚いていた。
 もう1頭がジャパンCに参戦したフランスのグランドグローリー。こちらは硬い馬場が苦手で、欧州でも馬場が硬いとスクラッチ(出馬投票後の出走取消)していた。そんな馬が良馬場の東京で5着に入ったのだ。3着のシャフリヤールからは0秒3差。2400メートルで上がり3F34秒2で走ったのだから、とても硬い馬場が苦手とは思えない。
 考えられることは「馬には馬場以上に優先されることがあるのでは」ということ。たとえばエントシャイデンなら、日本のような土を掘る重馬場は苦手だが、海外の芝の上を上滑りする重馬場はこなす「器用さ」を持っているとか。グランドグローリーは硬い馬場が苦手なのではなく、環境が変わった方が力を発揮するとか…。その答えを見つけるのはなかなか難しいが、口が利けない馬に「〇〇の方が得意」や「〇〇は苦手」と決めつけるのは禁物。そんなことを痛感させてくれた2頭だった。(作家)

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