御嶽海「自分の相撲で勝った。それだけです」 理事長も奮闘たたえる【大相撲初場所】
2022年1月22日 20時22分
◇22日 大相撲初場所14日目(東京・両国国技館)
迷いはなかった。とにかく前に出る。関脇御嶽海(29)=出羽海=は右で宝富士の左をおっつけ、左腕を差し込む。そして前へ前へと圧力をかけた。腰が重い宝富士も粘ろうとするが、力で横を向け、送り出した。
「自分の相撲で勝った。それだけです。まわしを取られないよう、しっかり落ち着いて前に出ることを意識すれば、問題ないと思っていました」
宝富士は今場所9勝と好調で、昨年の対戦成績は2勝2敗。決して簡単ではない相手だった。しかも優勝を争う照ノ富士と同じ伊勢ケ浜部屋。援護射撃に意欲十分だったはず。だが、今場所目立つ研ぎ澄まされた集中力、決して引かずに前に出る相撲で退けた。
充実一途。今場所の精神状態について、「最高です。気持ち良いです」と語ったように、闘志がみなぎっている。2敗を死守。しかも照ノ富士が敗れた。14日目を終えて単独トップに立ち、2019年秋場所以来となる3度目の優勝に王手だ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「流れが良かった。土俵際でも落ち着いていましたよね。大関が1人休場で1人負け越してる中で立派ですよ」と、結果を残せなかった大関に代わる奮闘をたたえた。直近3場所の勝ち星は14日目を終え32。大関昇進の目安『直近3場所33勝』に迫った上、今場所の内容、貢献度を踏まえると、いよいよ現実味を帯びてきたといえる。
地元・長野県木曽地域の期待も大きい。後援会の村仲秀昭事務局長(62)によると、事務局には日に日に問い合わせが増えているという。木曽地域も新型コロナウイルスの感染者が急増し、後援会ではパブリックビューイングなどはしない。それでも大願成就すれば、ポスターやのぼり旗を作製して、地元を活気づけるという。
千秋楽は照ノ富士との直接対決。勝てば文句なし。負ければともえ戦となる。横綱には7連敗中だが、「自分の相撲を取れば大丈夫です」とキッパリ。対策を問われると、「見てて下さい」と不敵に笑った。臆することはない。自分の相撲を貫き、優勝を決める。
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