かやぶき屋根ふき替え 国重文・北区の鈴木家住宅
2022年1月22日 05時00分 (1月22日 05時02分更新)
江戸後期に建てられた国の重要文化財「鈴木家住宅」(浜松市北区引佐町的場)の保存修理工事が終了し、傷みが目立っていたかやぶき屋根が約二十年ぶりにふき替えられた。見学も再開され、管理する市の担当者は「ふき終えたばかりの美しいかやぶき屋根を、幅広い人たちに見てもらいたい」と呼び掛けている。 (小佐野慧太)
鈴木家住宅は、居住部の主屋と、土間や流しなどがある釜屋の二棟からなる。かつて県西部から愛知県東部にかけて分布していた「釜屋建て」と呼ばれる形式の民家だ。建築当時の構造をよく残し、建てられたのが一八二一(文政四)年ごろと明らかになっていることなどが貴重とされ、二〇〇七年に重文に指定された。
市は昨年五月から保存修理工事を開始。それまでは屋根のかやにこけなどが付き、部分的に竹の骨組みがあらわになるなど傷みが激しかった。
工事では約二十年ぶりに屋根をふき替えたほか、釜屋建てに特徴的な二棟の建物の間にある雨どいをかけ直した。見学者の安全のため、耐震補強も実施した。
見学無料で、二棟の建物が内部でつながった広々とした空間を体感できる。
市ホームページから、工事の経過が分かる写真や解説などが見られる。
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