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【北の富士コラム】あんなに強かった御嶽海と照ノ富士が…土俵は荒れに荒れて大寒どころではなかった

2022年1月21日 05時00分

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御嶽海(右)は引き落としで阿武咲に敗れる

御嶽海(右)は引き落としで阿武咲に敗れる

◇20日 大相撲初場所12日目(東京・両国国技館)
 12日目は大寒。1年で一番寒い日らしいが、土俵の方は荒れに荒れて大寒どころではなかった。
 荒れる土俵の口火を切ったのは阿武咲と御嶽海との一番。1敗はしているが安定した相撲が続いている御嶽海。対する阿武咲も勝ち越しまであと1勝と張り切っている。いくら元気でも御嶽海が立ち合いに当たり負けしなければ負けることはないと見ていたが、阿武咲に思い通りの相撲を許し、痛い2敗目を喫した。
 どうやら御嶽海は優勝を意識するあまりに、本来の自分の立ち合いを見失っていたようだ。大きな敗因は立ち合いに腰高で上体だけで当たっていたことに尽きるだろう。上体だけで足が出ないまま押して出て、右からのいなしに大きく体勢を崩した。こうなると気ばかり前に出て、強引に出ようとする。
 一方の阿武咲はこの機を逃さず右からはたくと、御嶽海はあっけなく前に落ちてしまった。連勝していたころの相撲とは立ち合いが大違いで、上体だけで攻める悪い癖が出てしまった。これは明らかに勝ちたい気持ちだけが強くなり、われを忘れてしまっている。この精神面のもろさが御嶽海の大関への道に待ったをかけている。
 強さともろさが同居しているのが御嶽海の実体といえる。残る3日間このままズルズルと優勝争いから脱落すると、もう2度とチャンスが巡ってこない。この3日間がまさに正念場といえるだろう。
 意外といえば、照ノ富士も今場所元気のない明生に不覚を取ってしまった。まず敗因から見てみよう。まさか不調の相手と見たかどうかは分からんが、明らかに11日目までの立ち合いとは違っていた。立ち合いはいつものように左で前まわしを取りに出た。しかし、手だけで足の踏み込みは定位置で一歩も踏み込んでいない。
 いつもは左を取るまでは慎重な照ノ富士だが、左から引っ張り込み、上体だけで寄って出る。いつも冷静沈着な照ノ富士が、あまりにも強引な攻めである。まさか調子を下ろしたということは考えられない。魔が差したというべきか、あまりにも安易な、そして大ざっぱな攻撃だった。
 いくら不調でもこのチャンスは逃すわけない。回り込みながら肩透かしを引くと、照ノ富士は土俵下に転げ落ちた。信じられない光景であった。そして左膝を気にしている。花道を引きあげる時も少し足を引きずっているようだった。今の一番で痛めたのか、あるいは取る前から気にしていたのかその辺りが心配だ。
 相撲は取ってみなければ分からないことは十分承知しているが、あれだけ強かった2人がそろって信じられない弱さを露呈した。これで優勝の行方は分からなくなった。急速に阿炎が浮かび上がってきたと感じたのは私だけでしょうか。早いもので残るはあと3日。神様だけが知っているということだろう。
 私としては宇良が勝ち越して、三役に上がることの方が楽しみである。若隆景も勝ち越しのメドがついてきたしご機嫌である。それでは飯にします。
 11日目のちゃんちゃん焼きは見事失敗。場所中はやはり手の込んだ料理はやめといた方がいい。それからこの日も8000人を超える感染者が出ている。私のワクチンもまだ打つ日が決まっていない。私のような高齢者は前倒しでワクチンが早くなったと聞いていたのに、誰の話を信じればいいのだろう。気のせいか体がだるい。
 それでも残る3日間は頑張ろう。それより私の原稿、面白くないでしょう。自分でそう思うのだから間違いない。もう話のタネが尽きたようです。力量不足です。寒いですから気を付けておやすみなさい。(元横綱)
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