レールガン、その狙いは? 超高速の電磁砲、防衛省が開発本格化へ
2022年1月20日 05時00分 (1月20日 05時00分更新)
レールガンが、にわかに注目を浴びている。電磁力で超高速の砲弾を発射する最先端兵器で、防衛省が新年度から開発を本格化しようとしている。ただ、多額の費用が見込まれるわりには、効果に疑問符が付く。先行して研究してきた国では開発が中断状態といい、そもそも実用化できるのかがあやしい。なぜ、そんな兵器を開発するのか。 (中沢佳子)
「(従来の戦争のあり方を変える)ゲームチェンジャーとなる最先端技術。投資を大幅に増やし、研究開発を加速する」。昨年十二月二十二日、岸信夫防衛相はそう胸を張り、新年度予算案にレールガンの研究費として六十五億円を盛り込むことを明言した。
防衛省や防衛装備庁によると、レールガンは電気を通しやすい素材で造った二本のレールの間に、導電性のある弾丸をはさみ、電流を流して磁場をつくり、電磁力で発射する。
流す電力が大きいほど威力が増し、火薬の燃焼で撃つ従来砲よりも発射時のスピードが速く、砲弾の飛距離も伸ばせる。映画やアニメ、小説などに登場していた兵器だ。二〇二〇年版防衛白書によると、米国や中国が開発中。「小型・低コストかつ省スペースで備蓄可能なため、(中略)多数のミサイルによる攻撃...
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