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【FC東京新時代】クラブ買収交渉の舞台裏…東京ガスサッカー部OBの社長がどうしても守りたかったもの

2022年1月19日 05時00分

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記者会見でポーズをとる(左から)ミクシィの木村弘毅社長、スポーツ事業部の川岸滋也事業部長、FC東京の大金直樹社長

記者会見でポーズをとる(左から)ミクシィの木村弘毅社長、スポーツ事業部の川岸滋也事業部長、FC東京の大金直樹社長

 大金直樹代表取締役社長は東京ガスサッカー部OBとして初の社長となった。在任期間は歴代最長の7年を数える。だが、その間は常に不安と隣り合わせだったのかもしれない。
 「1社が引いたら予算規模が下がるという状況のまま、どこを目指せばいいのか…」
 FC東京は東京ガスの単独経営ではなく、中核8社の支援を受けて産声を上げた経緯がある。
 「創設当初は東京ガス、東京電力、日石三菱のエネルギー企業がメインだった。そこから東電やENEOSが離れ、より東京ガスのFC東京という色が濃くなった」
 手を変え、品を変えやりくりしてきた。中核企業群の顔ぶれは変わり、株主は370を超えた。ただ、経営の柱だったはずの年間チケット保持者「ソシオ」は伸びず、停滞感は拭えなかった。
 大金は「現状のままでは、この先のビジョンを描くことができなかった。それが(子会社化された)一番のポイントだった」と明かす。
 コロナ禍の減収で赤字を抱えながら、今後も競争フェーズは加速する。予算規模がリーグ順位に色濃く反映される中、現状の企業群の資金力では「いずれ限界が見えてしまう可能性があった」。新たな船頭役として名乗りを上げたIT大手「ミクシィ」は2018年からFC東京の胸スポンサーを務め、中核企業の一翼を担うほど存在感を増していた。
 将来の不安を拭えなかった東京ガスと、野心に燃えるミクシィ。双方の思惑が合致するのは必然だった。昨年の年明けから子会社化に向けた話し合いが水面下で本格化した。東京ガスは100%の株式譲渡ではなく、「中核6社と手を取り、ここまで築いてきた良さを生かして未来への道を模索すること」を提示した。夏頃には第三者割当増資で発行する新株をミクシィが引き受ける方向でまとまった。
 バトンを引き渡すことになったOB社長は、都民のためのクラブという創設理念と、選手時代の原風景をどうしても守りたかった。
 「東京ガスサッカー部から脈々と受け継がれるものがある。やっぱり応援してくれる人を大切にしていきたい。あの頃は広いスタンドでたった3人ぐらいだったかな」(文中敬称略)

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