本文へ移動

元女子プロレスラーの異色プロボクサー高木千尋 2児の母が完全燃焼のため選んだ道

2022年1月18日 17時38分

このエントリーをはてなブックマークに追加
2児の母親ながらプロボクサーになった元女子プロレスラーの高木千尋(左)と薬師寺保栄会長

2児の母親ながらプロボクサーになった元女子プロレスラーの高木千尋(左)と薬師寺保栄会長

 薬師寺ボクシングジム(名古屋市中区)に異色の経歴を持つボクサーがいる。かつて格闘探偵団バトラーツで女子プロレスラーとして活動していた高木千尋(34)。同じリングで戦うとはいえ全く違う競技、さらに現在は2児の母親でもあるが、完全燃焼したいという思いでボクシングに転向した。
     ◇
 キックボクシングや総合格闘技というパンチの比重が大きい競技ならともかく、元プロレスラーからの転身はほとんど例がない。高木は高い高い垣根を越え、グローブを手に取った。
 中学時代からボクシング好き。ただそれは見る側としてで、自らはプロレスの世界へと進み、結婚を機に引退、2児の母親になった。だが、コロナ禍で変化が。「すごく自分の人生を考えたんです。ずっと好きなボクシングを1回もやったことないから、死んだら後悔すると思ったんです」。選択肢は一つだった。
 2020年10月に薬師寺ジムの門をたたいた。最初は縄跳び10秒ほどで息が切れた。さらに、厳しい世界だからこそ、周囲からはプロではなく「スパーリング大会に出る程度でいいのでは」と言われたことがあった。そのとき更衣室で自然と涙があふれ出たという。
 「私はスパーリング大会じゃ嫌なんだと、涙で気付いちゃったんです。一回泣いたら、もうやりたいからやるしかないと思った」。子育てはもちろん、ファミレスで働きつつ、週6日の練習。「家族の協力もあるし、やればできるんです。そういうサイクルにしちゃえばいいんです」と時間をやりくりし、昨年、見事プロボクサーになった。
 プロレスラー時代の得意技は『ぶさいくの膝蹴り』。ボクサーとしての最大の武器を聞くと「右フックが得意で『メガ豚(トン)フック』です」と笑う。旺盛な食欲から生み出した重いパンチだ。
 「目標は最高の最後。自分が納得して終わることです」。30代になっても、母親になってもやりたいことはできる。燃え尽きるまでメガ豚フックを振るう。
 ▽薬師寺保栄会長(高木について)「結婚していて、子供もいる。年齢的にもあまり時間がない中、遊びにとらわれることが多い今の若い子と違って、ボクシングへの取り組み方が積極的で非常に真面目。あとは追い込み。もう少しきつく練習をやっていければ」
 ▼高木千尋(たかぎ・ちひろ) 1987年5月9日生まれ、宮城県石巻市出身の34歳。身長158センチ。2020年10月に薬師寺ジムでボクシングを始める。21年7月にプロテストに合格し、同11月にデビュー。通算成績は1戦1分け。08~10年は旧姓の及川千尋の名前でプロレス団体・格闘探偵団バトラーツに所属し、活動していた。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ