本文へ移動

ことぶき(金沢市) 婚礼衣装レンタル

2022年1月18日 05時00分 (1月18日 10時11分更新)
和紙から紡いだ糸でできたワンピースタイプの制服。カーディガンを合わせてコーディネートを楽しむ従業員(左)もいる=金沢市で

和紙から紡いだ糸でできたワンピースタイプの制服。カーディガンを合わせてコーディネートを楽しむ従業員(左)もいる=金沢市で

  • 和紙から紡いだ糸でできたワンピースタイプの制服。カーディガンを合わせてコーディネートを楽しむ従業員(左)もいる=金沢市で
  • 最重点目標

和紙素材 制服エコに

 黒のパンツスーツに白のブラウス−。婚礼業界で働く女性のお決まりの制服だが、衣装レンタルの「ことぶき」(金沢市)は昨秋、こうしたスタイルを廃止し、新たにふんわりとしたパフスリーブのワンピースや、ゆったりとしたシルエットのカジュアルパンツを導入。従業員の自主性を尊重し、自由に着こなせるようにした。
 新しい制服に使われているのは、和紙から紡いだ繊維で編んだニット生地。石川県羽咋市にある繊維会社が手掛ける環境に優しい生地で、着心地の良さはもちろん、天然繊維のため焼却時に温室効果ガスの排出量が少なく、埋め立て処分すれば地中で自然に分解される。
 ことぶきはもともと既製品の制服を採用していたが、昨年、制服の切り替え時期を迎えたのを機に、オーダーメード品を制作するプロジェクトを発足。業界で「常識」とされてきたデザインを一から見直したほか、持続可能な開発目標(SDGs)をコンセプトに素材を決めた。
 スタッフは「黒子」に徹するため、目立たないことを意識してきたが「自分たちはドレスを提案するスタイリストでもある。ファッション性の高い制服を着用して、個性をアピールしていくことも大切だと思った」と大島啓子取締役(51)は狙いを語る。
 新しい制服の導入に合わせ、黒のタイツにパンプス、接客時は上着を羽織らない−などと制限していた社内規定も一新。多様性が認められるようになり、今ではベージュのインナーやワイン色の靴下とのコーディネートを楽しむ従業員もいるという。
 「その服は誰がどんなコンセプトで、何の素材で作ったのか。コーディネートを考える過程で、SDGsの取り組みも自分事として落とし込めると思う」と大島さん。制服を着用することの意義を考えてほしいと、社名のタグは、あえて従業員自らの手で縫うことにした。
 SDGsの目標で重視するのは(12)の「つくる責任 つかう責任」。お客さまに楽しんでもらうには、まず自分たちが楽しむこと−をモットーに、今日も新たな門出を迎える二人に笑顔を届ける。(高岡涼子)

【会社メモ】1960年に婚礼貸衣装専門店を開業。70年に会社を設立した。本社のある金沢店をはじめ松任店、富山店、高岡店と石川、富山両県で4店を運営。婚礼衣装や振り袖、はかまなどのレンタルを行う。グループの写真スタジオもある。従業員110人。本社は金沢市本町。

【SDGs】「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。

関連キーワード

おすすめ情報