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【石川】1円募金 困った ゆうちょ銀 硬貨扱い有料化

2022年1月18日 05時00分 (1月20日 11時36分更新)
手づくりの募金箱を見せ、寄付金を送る際の手数料の問題を話す藤本正美代表=金沢市で

手づくりの募金箱を見せ、寄付金を送る際の手数料の問題を話す藤本正美代表=金沢市で

  • 手づくりの募金箱を見せ、寄付金を送る際の手数料の問題を話す藤本正美代表=金沢市で

妊産婦支援団体 対応検討

 一円から募金を受け付け、困窮した妊産婦を支援するNPO法人「円ブリオ基金センター」(東京都千代田区)が寄付金の送金にかかる新たな手数料に頭を抱えている。ゆうちょ銀行窓口では十七日から、硬貨の枚数に応じて「硬貨取扱料金」が請求され、その料金が募金の額を上回るケースが出てきたからだ。基金に協力する金沢市内の団体から、本紙「Your Scoop〜みんなの取材班(ユースク)」に悩みの声が寄せられた。(戎野文菜、写真も)
 円ブリオ基金は一九九三年から経済的理由で出産に悩む妊婦を支援。これまでに全国で九百十一人、石川県では三人、富山県で一人が支援金をもらって子どもを出産している。
 「一人が一億円を出すより、一億人が一円を出して赤ちゃんを救う方が美しい」という理念で、全国から集まる寄付は年間一千万円を超える。そのほとんどが硬貨という。
 募金箱などに集まった善意は、全国の協力する団体の担当者が、ゆうちょ銀行の窓口で東京の基金センターに送金する。多くの都市銀行などでは硬貨を取り扱う手数料が必要だが、ゆうちょ銀行の窓口では、これまで硬貨の枚数を確認する手数料がかからなかった。そのため、基金は長年、郵便振替のみで手続きをしてきた。
 ところが、ゆうちょ銀行も収益環境の悪化を理由に十七日から、硬貨が五十一枚以上になると、枚数に応じて最低五百五十円の「硬貨取扱料金」を徴収することになった。
 ゆうちょ銀行の担当者は「硬貨の取り扱いが増えるほど、機械のトラブルが起こりやすくなり、利用者に負担を求めることにした」と説明。硬貨に交じったゲームセンターのメダルや外国のコインなどが、故障の原因になっているという。硬貨が千一枚以上だと、手数料は五百枚ごとに五百五十円がかかり、送金する金額よりも高くなってしまう場合もある。
 ゆうちょ銀行は災害支援などの義援金の振り込みには手数料を求めない。だが、基金などへの寄付金は審査を通過した一部の団体などを除き、手数料がかかる。審査基準は明らかにされておらず、円ブリオ基金を支援する「石川いのちの会」(金沢市)は、手数料を支払わなければならない。
 いのちの会代表の藤本正美さん(62)は今後、募金を硬貨入金の手数料がかからない地方銀行の口座にいったん入金し、お札などのまとまった形にして再び引き出し、ゆうちょ銀行で送金する方法を検討している。
 同会は石川県内の保育園や飲食店、公共施設など約百七十カ所に募金箱を置く。「子どもを産みたい人が金銭的な理由で中絶しなくて済むよう力になりたい」と藤本さん。年間三十万円ほどを送っており「郵便局にこれ以上のサービスを求めるのは難しい分、より活動をPRしていきたい。募金を無料で両替してくれる人や店があれば、助かる」と話している。

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