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日本競馬がさらに発展するには2歳戦からでもファイトすべき 名手ライアン・ムーアのメッセージだと思っている【本城雅人コラム】

2022年1月17日 07時00分

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朝日杯FSをアジアエクスプレスで制し、ゲストプレゼンターの浅尾美和と握手するライアン・ムーア騎手(中央)。左は馬場オーナー=2013年12月15日、中山競馬場で

朝日杯FSをアジアエクスプレスで制し、ゲストプレゼンターの浅尾美和と握手するライアン・ムーア騎手(中央)。左は馬場オーナー=2013年12月15日、中山競馬場で

◇コラム「ぱかぱか日和」
2021年も日本ダービーやNHKマイルCの激闘など後世に語り継がれるレースがあった。そうした名勝負は得てして大レースになるが、私の記憶に強く残っているのは昨年11月28日のジャパンカップデー(東京)に行われた平場の2歳戦だ。4Rの未勝利(芝2000メートル)、6Rの新馬(芝1800メートル)。4Rは逃げたウィズグレイスを3コーナー前からアルファヒディが、6Rはサリエラをサイルーンが追いかけた。いずれも逃げ切り勝ちで、アルファヒディは3着、サイルーンは2着だった。だが残り800メートルくらいから迫っていく競馬は迫力抜群で、見ていて鳥肌が立った。結果4Rはレコード、6Rも残り800メートルから400メートルのラップが11秒6―10秒7と猛時計だった。
 この激戦が実現したのは、生産牧場がノーザンファームVS社台ファームだったから(1勝1敗)。だが一番の理由は追いかけた馬に乗っていたのがライアン・ムーアだったことだ。時としてジョッキーは、出来上がった並び順を壊すことが求められる。そうした競馬は欧州よりアメリカの方が顕著だが、騎手にとっても魅力的で、武豊騎手もスタートからガンガンやり合って、相手を蹴落としていく競馬に子供の頃から憧れ、だから最初の長期滞在(2000年~)はアメリカを選んだと話していた。
 惜しむらくは負けた2頭が、まだ勝ち上がっていないこと。サイルーンは2戦目も敗れ、ひと息入れたアルファヒディは順調に乗り込んでいたが、一頓挫あったようだ。
 それでも成長途上の2歳戦であろうが、緩いペースで先行した順にゴールすることほど退屈な競馬はない。短期免許で来た外国人騎手は先のことを考えずに乗るから馬が壊れる。そんな批判があることも承知しているが、日本競馬がさらに発展するには2歳戦からでもファイトすべき――名手ライアン・ムーアのメッセージだと思っている。(作家)

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