「気にしたら負けだ」史上初、祖父が横綱対決を制した琴ノ若、平常心で臨んだ
2022年1月15日 20時17分
◇15日 大相撲初場所7日目(東京・両国国技館)
3世代にわたる幕内力士もかなりレアだが、ともに横綱を祖父に持つ力士の対戦は史上初だ。相撲ファン大注目の一戦を制したのは、祖父に元横綱琴桜、父に元関脇琴ノ若を持つ東前頭14枚目の琴ノ若(24)=佐渡ケ嶽=だった。
祖父と父の名が幕下時代はプレッシャーになっていたという。「自分はあまり感じてなかったけど、どこかプレッシャーに感じていたのかも」と話したこともあった。ただ、時がたつにつれ「考えようが、考えまいが絶対についてくるもの。気にしたら負けだという感覚でいます」と心境が変化した。
祖父が元横綱大鵬、父が元関脇貴闘力の王鵬とは同じ境遇であり、琴ノ若が埼玉栄高3年のときの1年。「一緒に同じ土俵でけいこしてきた仲なんで。幕内であたることはいいことだと思います」と理解し合える関係。この日は「(祖父、父のことは)言われるものだと思っているので。本場所の一番だと思っていってるので、深く意識するわけではなく自分の出せるものを出そうと」と平常心で臨むことができた。
祖父は大鵬に4勝22敗だが、大鵬が最後に優勝を飾った1971年初場所で唯一の黒星をつけている。父は貴闘力と最後の対戦となった2001年春場所3日目で、あわや2度目の水入りかという8分28秒の大相撲を制している。琴ノ若はそんな祖父や父を「地位も横綱、関脇なのでまだまだ」とこれからも背中を追い続ける。
八角理事長(元横綱北勝海)は「もっと中身で話題になるようにね。おじいちゃんの名前だけではなく、自分たちの相撲で話題になるように切磋琢磨(せっさたくま)してほしい」と期待を込めて話す。祖父は昭和、父は平成の大相撲を沸かせてきた。令和は自分たちが引っ張っていく。
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