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祝い唄「御酒」 鶴来に響く 美川保存会 地元外で初の講習会

2022年1月15日 05時00分 (1月15日 10時47分更新)
参加者と共に伸びやかな歌声を披露する美川御酒保存会の(左から)二木武信さんと西川義正さん=白山市鶴来本町で

参加者と共に伸びやかな歌声を披露する美川御酒保存会の(左から)二木武信さんと西川義正さん=白山市鶴来本町で

市観光連盟ガイド学ぶ

 江戸から明治にかけて、大阪と北海道を日本海側の航路で結んだ「北前船(きたまえぶね)」。船主らが歌い継いできた白山市美川地域の祝い唄(うた)「御酒(ごんしゅう)」(市無形民俗文化財)を伝える美川御酒保存会は十四日、初の美川地域外での講習会を、鶴来公民館(同市鶴来本町)で行った。市観光連盟の登録観光ガイド約十人が、御酒の伸びやかな歌声や縁起のよい歌詞を学んだ。(吉田拓海)
 御酒は北前船の船乗りが持ち帰ったと伝わる唄で、調子の上げ下げや、めでたい口上を述べる「ほめことば」を挟むことなどが特徴。「沖のと中に鶴と亀とが舞いをする」や、「恵比寿(えびす)様という神さまが(中略)ニコニコと(中略)大きな鯛(たい)を釣り上げる」など、めでたい歌詞が続く。北前船の寄港地として栄えた本吉湊(もとよしみなと)(現美川)では、酒宴の場で歌われた。文化庁の日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成要素の一つでもある。
 講習会では、保存会の二木武信さん(80)と西川義正さん(83)の二人が御酒の歴史を紹介した後、実際に練習。「上げ下げが重要」や「最後は息を吐き出すように歌って」などと助言した。参加者は歌詞カードを見ながら、懸命にメロディーを覚え、最後は全員で力強く伸びやかな歌声を披露した。
 初めて歌った同ガイドの磯部雄三さん(79)は「やっぱり味がある。縁起が良くいい感じだなと思った。歌い方は難しいが、市の伝統的な歌の一つとして歌い継ぎたい」と話した。
 高齢化による仲間の減少や、コロナ禍で思うように活動できない悩みを持つ同会。二木さんは「緊張したが、御酒にまつわる歴史の話もできた。今回の取り組みが、長い目で見て継承につながれば」と話した。
 講習会は、市内各地の民謡を同ガイドに覚えてもらう目的で、市観光連盟の「市の民謡を唄う勉強会」の二回目として開いた。ガイド中に地元の民謡を披露してもらい、白山らしい旅を演出する。勉強会は来年三月までの全五回開催する。

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