山本昌さん、向上心で年齢の壁破る 最年長記録、次々
2022年1月15日 05時00分 (1月15日 05時01分更新)
現時点で最後の200勝投手であることに加え、山本昌さんの早々の野球殿堂入りを決定的にしたのは、数々の最年長記録だ。その岐路になったシーズンがある。
2008年に節目の勝ち星を含む11勝を挙げたが、翌09年はわずか1勝。復活をかけた10年は春季キャンプで左肩周辺を痛め、6月に初先発した2軍戦では1球投げただけで左脚を痛めて降板した。「2、3日はボーッとしていた。もう引退かな、と」。担当記者の私たちも、「その日」の記事のことを考え始めた。
しかし、44歳の切り替えの早さは想像を超えていた。「練習を含め、ユニホームを着られるのはあと100回ないかも。100回ぐらい一生懸命やらなきゃ」。脚が癒えると下半身を徹底的に鍛え、ベルトの穴を二つ減らした8月初めに1軍に上がった。
「駄目なら一礼してグラウンドを去るつもりだった」というシーズン初登板から5連勝。9月4日の巨人戦では、最盛期のイメージを持たない新人や外国人をスクリューボールで併殺打に仕留めるなど圧倒し、史上最年長の完封勝利を手にした。
そのオフ。6月に想定した引退原稿の代わりに、「折れない心」をテーマにした連載で紙面に登場してもらった。当...
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