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「今年ダメならボクはクビになるんです」4年目の山本昌さんが記者にこぼした言葉の真意…弱音ではなく決意表明だった【野球殿堂】

2022年1月14日 15時07分

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中日-広島 5回から中継ぎで登板しプロ初勝利を挙げた山本昌。右は星野監督 ※※ =1988年8月30日、ナゴヤ球場

中日-広島 5回から中継ぎで登板しプロ初勝利を挙げた山本昌。右は星野監督 ※※ =1988年8月30日、ナゴヤ球場

 球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが14日、都内の野球殿堂博物館で発表された。プレーヤー表彰では中日一筋で活躍した山本昌さん(56)とヤクルトの高津臣吾監督(53)が選ばれた。
◇ドラゴンズ担当が振り返る「山本昌」
 彼と初めて会話した時の情景を鮮明に思い出すことができる。1987年6月、2軍の阪急戦が行われた一宮球場。「ねえ、ちょっと話をしましょうよ」。ドラ番1年目の筆者に声をかけてきたのは入団4年目の昌さん。
 「今年ダメならボクはクビになるんです」。しばらくするとそう言い、弱気な言葉が続いた。
 話には聞いていた。新人時代のキャンプを視察した大物OBが「だれが取ったんだね」と首をかしげた、と…。そうか、間違ってプロの世界に入ってきた選手はこうやって去って行くのか。こちらの激励に「もし1軍で勝利したら原稿書いてください」とは言っていたが、そんな時はくるはずがないと思っていた。
 筆者がその真意と思考法に気付かされたのは翌年8月、初勝利の原稿を書きながら。クビがつながった彼は、米国でスクリューボールを覚えて帰ってきた。このままでは終わる、ならば…。あれは弱音ではなく、自身への決意表明だった。楽観的要素を排除し、はい上がる道筋だけを考えるのが山本昌という男である。
 転機には留学させた星野監督の決断が不可欠だった。ただ、あまりの変貌ぶりに驚き、強引に呼び戻したところ優勝の原動力になったというのが真相だ。こんな感じでさまざまな出会いを活かしながら、予想を超える結果を残してきた昌さん。向上心が、遂行力が、何より根気があった。培ってきた技と心。いずれは指導者として後輩に。(1987~88年、94~03年中日担当・増田護)

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