東海に栄えたタイルの歴史振り返る 常滑・INAXライブミュージアム
2022年1月14日 14時00分 (1月14日 14時00分更新)
戦後復興から高度経済成長期にあたる一九五〇~七〇年代、名古屋市の周辺では、多彩なモザイク壁画を施した建物が数多く建てられた。愛知県常滑市のINAXライブミュージアムで開催中の企画展「壮観!ナゴヤ・モザイク壁画時代」は、街を彩ってきたモザイク壁画の歴史を、実物の壁画の一部やタイルなどの資料とともに振り返る。(宮崎正嗣)
モザイク壁画は大理石やタイル、ガラスを壁面に埋め込んだ大規模な装飾作品。かつて名古屋・栄にあった旧丸栄百貨店(二〇一八年に閉店)では、近代建築の巨匠・村野藤吾(一八九一~一九八四年)が設計した本館の西側の外壁に、縦約二十五メートル、幅約二十メートルにわたる抽象的なモザイク壁画が描かれ、大きな存在感を示していた。
この作品が完成した五六年は、全国が戦後復興に沸いた時期。各地で無機質な鉄筋コンクリートの建築が広がり、それを飾るためのモザイク壁画が流行した。ミュージアムで展示を担当する筧天留さんは「当時の建築家の間には、モザイク壁画を意匠として取り入れようというムーブメントがあった」と解説する。...
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