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半藤一利さん没後1年 語録からの警鐘

2022年1月14日 05時00分 (1月14日 05時01分更新)
 「近現代史の語り部」として、歴史を学ぶ重要性を説き続けてきた半藤一利さん=写真=が亡くなって十二日で一年。少年時代、戦火と焦土を目の当たりにし、再び招かぬための史的教訓を探究し続けた生涯だった。過去の検証は未来への警鐘につながる。そんな思いが凝縮した「半藤語録」を本紙での対談などから顧みた。 (稲熊均)
 半藤さんは、史実をゆがめる「神話」の正体を暴く「歴史探偵」でもあった。日本の近現代史で、とりわけ重要だと指摘した「神話」がある。
 「日露戦争後、軍が公表したのは、日本が世界の強国である帝政ロシアをいかに倒したかという『物語』『神話』としての戦史でした。海軍、陸軍大学校の生徒にすら本当のことを教えていなかった」
 この「神話」は軍を肥大化させ大戦で国を破滅の道に追い込む遠因になったばかりではない。戦後も「明るい明治、暗い昭和」という歴史観を広く根付かせる下地になった。日清、日露までは国家も軍も合理的判断ができ、その後は無謀な戦争の時代に突き進んだという歴史観だ。日露戦争までの明治を描いた司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」も大きな影響を与えている。
 半藤さんは編集者として司馬さんと深く交流して...

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