本文へ移動

【北の富士コラム】相撲界の大谷選手になる力士…私のお目当て熱海富士は竜電相手に大健闘、大いに期待していい

2022年1月14日 05時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
竜電(左)を攻める熱海富士

竜電(左)を攻める熱海富士

◇13日 大相撲初場所5日目(両国国技館)
 熱戦の多かった4日目に比べ、5日目の土俵は大した波乱もなく淡々と終わった感じである。大関の正代が負けたが、今更驚くに当たらない。
 むしろ勝ったときの方が驚く人が多いのだから情けない。まともに勝ったのが思い出せない妙な大関である。もうこれ以上は何も言うことはない。これ以上書くと、熊本の馬刺しの差し入れが止まるといけない。6日目から気を入れ直して頑張ってください。
 それでは全勝を守った3力士の相撲を振り返りますか。阿炎は難敵北勝富士を一気に押し出した。手も足もよく出ている。先場所より強さは増しているようだ。人間は心掛け一つでこんなに変われるものかと、つくづく考えさせられる。
 私も遅まきながら頑張ってみようかなと本気で思っている。しかし何を頑張るのかが分からない。年寄りの冷水になりかねないので、今まで通り俺らしくいいかげんに生きていきます。
 いいかげんといえば、御嶽海。今場所は今までの御嶽海とは大違いで、連日厳しい相撲を見せている。過去の対戦成績があまり良くなかった霧馬山を全く問題にしなかった。立ち合い、霧馬山のもろ手突きを下からすくうように受け、左からの強烈なおっつけで横向きにさせ、一気に押し出した。実に落ち着き払った堂々の相撲である。そろそろ信用してもよさそうだ。それでも大事を取って中日まで冷静に見てみよう。
 照ノ富士は今場所初めて自分の流れで相撲を取った。対戦相手は勝手知ったる逸ノ城。連日、小さい相手ばかりだったのでかなり気を使った相撲が続いていたが、伸び伸びと存分に本来の相撲が取れて気持ちが良さそうだった。
 左からの上手投げで大きな逸ノ城を放り投げたが、やはり左を取ると強い。うるさい三役陣の明生と御嶽海との戦いが残されているので、まだ油断はできないが、照ノ富士のペースになりつつあると見ている。以上、幕内の手さばきはこれでおしまい。
 実は私の5日目のお目当ての相撲は、幕下の熱海富士と竜電の一番。初日にも熱海富士の事を書かせてもらったが、この日の相手は元三役力士の竜電。そうか、上ばかり見て竜電がいたのを忘れていた。竜電は弱くて落ちたわけではないのは皆さんもお分かりと思う。
 幕内上位でも十分通用する竜電にはとても通じないと見ていたが、熱海富士は大健闘。竜電にもろ差しを許し、まわしに手もかけさせてもらえなかったが、かんぬきで逆に反撃。もろ差しの竜電が攻めきれず、頭まで付け食い下がった。最後は善戦むなしく敗れたが、実によく頑張ったものだ。強引なかんぬきはまるで小型の照ノ富士だ。
 体は伸びてもよく残せるのは、よほど足腰も強いのだろう。そして負けん気が相当強い。敗れたがいいところばかりが目立った一番だった。西の筆頭だから、勝ち越して十両に昇進してもらいたいが、熱海富士は横綱を目指す力士である。彼は相撲界の大谷選手になる力士。皆さんも大いに期待してもいいかと思います。
 最近、食べ物の話が少ないと言われます。初日にも述べたが、体重が増えて洋服がパチンパチンです。10日目までは体を絞ります。ご協力ください。
(元横綱)
おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ