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海洋ごみが奏でる音楽 ブイやペットボトルを楽器に各務原で演奏会

2022年1月14日 05時01分 (1月14日 15時00分更新)
大表さん(中)らゴミンゾクのメンバー=いずれも各務原市蘇原中央町のプリニーの市民会館で

大表さん(中)らゴミンゾクのメンバー=いずれも各務原市蘇原中央町のプリニーの市民会館で

  • 大表さん(中)らゴミンゾクのメンバー=いずれも各務原市蘇原中央町のプリニーの市民会館で
  • ブイや流木で作った弦楽器
  • ペットボトルで作った打楽器
  • ブイで作ったウオータードラム
 海岸や河川敷に残されたごみで作った楽器を使った一風変わったコンサートが各務原市内で開かれた。制作と演奏を担うのは、民族音楽を奏でるアーティスト集団「ゴミンゾク」。「ごみ」と「民族音楽」を掛け合わせた造語だ。新しい“命”が吹き込まれた楽器とその音色に彼らが込めた思いとは―。
 ペットボトルに流木、釣り糸、ブイ…。楽器の素材は、海岸や河川敷で拾い集めた「ごみ」ばかりだ。
 リーダーとして活動の中心になるのは、アフリカやインドの民族音楽を演奏するパーカッショニストの大表史明さん(42)=名古屋市。二年半前、とある催しで、海洋ごみを使った楽器を作ってほしいとの依頼を受けた。その時、海岸などに残された大量のごみに衝撃を受け、関心を抱いた。そして、「楽しみながら海洋ごみ問題を考えてもらおう」と、愛知や岐阜県在住の音楽仲間を誘って二〇二〇年に結成したのが「ゴミンゾク」だ。
 楽器の制作には、大表さんの民族楽器の知識がふんだんに生かされている。
 例えば、西アフリカのギニアの伝統楽器「カメレンゴニ」をモチーフにした弦楽器。流木とブイを組み合わせて本体を作り、釣り糸の「弦」が張ってある。この釣り糸をハープのようにつま弾きながら奏でる。ペットボトルを木琴のように並べた打楽器は、空気圧を一本一本変えて音階を奏でられるように工夫。大きなブイを半分に切って水を張り、さらに一回り小さいブイを浮かべた「ウオータードラム」は、たたくとポコポコと優しい音が鳴る。
 大表さんがこれまで手がけた楽器は三十種類。この日、「プリニーの市民会館」で催したコンサートでは、そのうち十五種類が使われた。ギニアの伝統曲を中心に軽快なリズムを響かせたり、ゆったりした音色を響かせたりした。大垣市から訪れた田中喜久子さん(68)は「ごみをよく研究して、豊かな発想で楽器にしていて感心しました」と話した。
 演奏の合間には、楽器の材料となったごみをクイズ形式で紹介し、海洋ごみ問題について理解を深めてもらった。大表さんは聴衆に向け「ごみと資源の境目は僕たちが決めている。本当にごみか、リサイクルできるものか、意識してもらえたら」と語りかけた。
 (中根真依)

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