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カキ 穴水の海が育む 加藤さん養殖修業3年、今季初出荷

2022年1月12日 05時00分 (1月12日 10時09分更新)
一から育てたカキを手に笑顔を見せる加藤誠也さん=穴水町中居南で

一から育てたカキを手に笑顔を見せる加藤誠也さん=穴水町中居南で

「中途半端に出したくない」

 昨年8月に穴水町地域おこし協力隊を退任した加藤誠也さん(35)が今季、カキ養殖で本格的に出荷作業に取り組んでいる。2018年に協力隊で同町初の水産振興支援員として着任し、3年間さまざまなカキの養殖業者のところを回って修業を積んできた。「お客さんに喜んでもらえるようなカキを届けたい」と意気込む。カキ養殖業者の高齢化や後継者不足が課題の町で、若手の挑戦が始まった。 (森本尚平)
 加藤さんは岐阜市出身。海のない町で育ったが、実家で熱帯魚を飼っていたこともあり、高校卒業後は水族館の飼育員を養成する名古屋市の専門学校に進学。その後、水質管理やエビ養殖業の会社で働いた。
 二〇一八年の「雪中ジャンボかきまつり」で穴水を訪れ、町のカキのおいしさに引かれて移住を決意。協力隊員として町内のカキ養殖業者らの手伝いをする傍ら、ノウハウを学んできた。「人それぞれこだわりがあり、自分なりに合うやり方を吸収してきた」と話す。一年ほど前に同町中居南の空き家を買い、養殖業の準備を進めてきた。
 昨季も知り合いのカキ養殖業者からカキ棚を譲り受けて自身のカキを売ったが、一から育てたカキを出荷するのは今季が初めて。「何とかものにはなってくれた。今年は実入りも早いので良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。
 こだわりは「時間をかけて丁寧な仕事をすること」。白くなるくらいまできれいに殻を磨き上げる。同じ中居南に移住し、カキ養殖に携わる斎藤義己さん(40)の仕事ぶりを見て学んだことだ。「最初はそこまできれいにしなきゃいけないのかなと思った」。だが昨季、カキを箱詰めする時に黒ずんだ殻を見て「これお客さん見たら気分悪いよな」と斎藤さんの姿を思い出し、全て磨き直した。
 自宅の作業場には二個の水槽を置き、出荷の十二時間以上前に紫外線で殺菌した海水にカキを浸す。「お客さんに出すカキ。中途半端なものは出したくない」。水槽も常に清潔でぴかぴかな状態に保つ。
 今季は一万個のカキを出荷予定。来季以降、通常海で育てる稚貝を自身で交配し水槽で育てる研究や餌となる植物プランクトンの培養なども計画し、エビの養殖も手掛けたい考えだ。「穴水に移住するまではむき身のカキしか知らなかったが、本当にカキの養殖は楽しい。自分が納得できるおいしいカキを作っていきたい」と力を込める。
 殻付きカキは三キロ三千百十三円(税込み、送料別)から、むき身は八百グラム二千五百三十円(同)から。購入はヤフーショッピングやフェイスブックで「誠水産」と検索。
◇カキ購入サイトはこちらから=

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