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スタンド選手もマッチョ…青森山田の圧倒的フィジカルに裏打ちされた高校サッカー“モンスター級”強さ

2022年1月11日 06時00分

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第100回全国高校サッカー選手権で3大会ぶり3度目の優勝を成し遂げ、喜ぶ青森山田イレブン。主将の松木玖生が賞状を掲げた

第100回全国高校サッカー選手権で3大会ぶり3度目の優勝を成し遂げ、喜ぶ青森山田イレブン。主将の松木玖生が賞状を掲げた

◇コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」◇10日 第100回全国高校サッカー決勝 青森山田4―0大津(熊本)(国立競技場)
 高校サッカーのレベルとしては、モンスター級の強さを見せつけられた。3大会ぶり3度目の高校サッカー選手権制覇を果たした青森山田は決勝の大津戦で4―0の大勝。1回戦から5試合で21得点2失点。東山が唯一、1―2と善戦したが、5バックで必死にサイド攻撃をしのぎ、それでもしのぎきれずに逆転された。
 圧倒的なパワーをベースにした球際の強さ。準決勝で大敗した高川学園の江本監督は「パワーで押し切られた」と舌を巻き、中盤の北選手は「(ボールを)相手より先に触るという部分ですごい差が出た」と振り返った。決勝ではシュートすら打つことができなかった大津。森田選手は「思ったより圧力とパワーがすごくて、自分たちが後手に回った。少しはボールを回せたが、ブロックを敷かれて、前に進めなかった。相手がこわがるパス回しができなかった」と敗因を口にした。
 下半身だけでなく、上半身の筋肉量には目を見張るものがある。ベンチ入りしている選手だけではない。スタンドで応援している選手も、そろいもそろってマッチョ。フィット系のユニホームは、視覚的効果も抜群で、とにかく威圧感がすごい。年間を通じたウエートトレーニングと体幹トレーニング、そして栄養価の高い食事によって作り上げられた強靱(きょうじん)な肉体は、青森山田では当たり前なのだ。
 そのパワーをベースに、雪中の持久力トレ、アジリティートレーニングでさらに武装する。地味できついトレーニングの積み重ね。とにかくボールへのアプローチが早い。ボールへの距離も近い。それも1人ではない。ボールを奪えるとみるや、2人目、3人目の選手が襲い掛かる。ボールを失ったら奪い返す。走力、俊敏性も含め、フィジカルの強さを前面に押し出した攻守の切り替えの速さは圧巻だった。
 それだけではない。フィジカルに裏打ちされたテクニックも素晴らしい。特にキック。正確さとパススピードの速さ。今大会、青森山田はセットプレーから7点を決めているが、セットプレーでカギとなるのはキックだ。この日CKから先制点をたたき出し、今大会4ゴールの丸山選手は、「質のいいボールが入ってくるので、信じて飛び込むだけです」と言い切った。松木キャプテンのパスやドリブルが注目されたが、他の選手のテクニック、特にキックは高いレベルにある。
 そして戦術も。ボールを奪うと即、仕掛ける。速攻が難しいと思えば、強いパスでボールを回す。その時のポジショニングが憎らしいほどいい。GKを含め、DF陣でポゼッションするときの距離感と角度。そこから強いキックで縦にパスを通す。中央を固められるとサイドに展開する。正直いって、関東大学リーグ1部でも十分戦えるのではないかとさえ思う。
 フィジカル、テクニック、タクティクス。サッカーの3要素ともう一つ、メンタルでも別次元の結束力があった。3年生は、2年連続決勝敗退を目の当たりにしている。絶対に優勝する。その思いは、どこにも負けない。インタビューで「ボランチ2人でつかみ取った優勝」と質問された松木キャプテンは「全員でつかみ取った優勝です。その部分は訂正してください」と言い放った。その通りだろう。
 U―18プレミアリーグEASTでは16試合を戦い、13勝1分け2敗で優勝した。FC東京と引き分け。失点はわずかに9。2位清水が失点20。ちなみに市船橋には9―0(もう1試合はコロナ禍で未消化)、流経大柏には4―0、3―0で勝っている。記念すべき選手権100回大会、高校サッカー史上最強のモンスターが栄冠を手にした。
 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、1994年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため? 指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
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