【王将戦】藤井聡太四冠、先勝も紙一重「最後まで分からないままやっていた」両者8時間使い切り1分将棋
2022年1月10日 20時23分
藤井聡太竜王(19)=王位・叡王・棋聖=が渡辺明王将(37)=名人・棋王=に挑戦する「第71期王将戦」七番勝負は10日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で指し継がれ、藤井竜王が139手で勝利し「最年少五冠」へ向け好発進を決めた。第2局は22、23日、大阪府高槻市で指される。
将棋界初となる「四冠VS三冠」シリーズは、若き第一人者が王将戦史上に残る大熱戦の末、まずは先手番をものにした。渡辺は過去、掛川対局では6戦全勝と好相性を誇っていたが、この「無敗神話」も止めてみせた。これで両者の対戦成績は藤井の9勝2敗。タイトル戦に限ると、一昨年の棋聖戦五番勝負第4局から5連勝とした。
終局後のインタビューで「序盤から陣形があまり良くない格好で苦しいかなと思っていた。終盤はミスもあったが、指運もあった。最後まで分からないままやっていた」と振り返った藤井。第2局に向けては「内容をしっかり振り返って次につなげていきたい」と気を引き締めた。
一方、王将4連覇を目指す渡辺は「終盤はチャンスがあるかなと思ったが、最後は分からなかった」と敗戦の弁。「まだ始まったばかり。またやっていきたい」と巻き返しを誓った。
相掛かりとなった1日目の盤上は、藤井が昼食休憩前から用意の新工夫を披露すると、渡辺は91分の長考を記録。戦いはここから未知の領域に突入した。午後はわずか5手しか進まず、互いに大決戦を見据えつつ深い読み合いが続いた。
藤井の封じ手で再開した2日目は、藤井の構想が徐々にベールを脱ぐ展開に。ところが、渡辺もこん身の勝負手で対抗すると、一気に難解な局面となった。いったんは渡辺がペースを握ったが、最後は藤井の終盤力がさく裂した。大魚を逸した渡辺としては、シリーズの流れの上からも痛い黒星となった。
持ち時間は、両者とも8時間を使い切って1分将棋。終局は午後7時27分だった。
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