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【企画・NAGOYA発】『お笑いマンガ道場』に立ちはだかった“マンネリの壁” 打ち切りに出演者が社長に直談判も…

2022年1月10日 11時54分

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1994年3月に放送された最終回の収録後の記念撮影(中京テレビ提供)

◇日曜午前への移動が転機
◇第3回「お笑いマンガ道場」(その4)
 実は名古屋が発祥、由来だったという古今東西の事柄や事象を取り上げ、徹底した取材に基づいて歴史や秘話をトコトン深掘りします。
  ◇  ◇  ◇
 中京テレビが制作した日本テレビ系の漫画大喜利番組「お笑いマンガ道場」(1976~94年)。82年から川島なお美さんが3代目女性レギュラーとして登場すると、名古屋地区の視聴率は平均で20%(ビデオリサーチ調べ)に迫ったが、同時に長寿番組が避けて通れぬ「マンネリの壁」も立ちはだかった。
 初代プロデューサーの沢田健邦さん(74)は「僕もちょっとだけ考えたことはあるが、誰も変える勇気がなかった。視聴率を取っていたので、これを崩さないように。歴代6人のプロデューサーも重い荷を背負い、ゲストを工夫し、マスコットやロゴなど変えられる部分だけを変えていた」と明かす。
 90年代に入っても平均で15%近い高視聴率を獲得してきた人気番組に、93年春、突然転機が訪れた。
 77年から16年間、土曜午後6時台の30分枠で放送が続いたが、日本テレビ系の全国ネット新番組が同じ時間帯にスタートすることになり、お笑いマンガ道場は日曜午前11時にひっそりと移動したのだ。
 当時の日曜午前はテレビの総視聴者が少なく、しかも裏番組にフジテレビ系の人気バラエティー番組「笑っていいとも!増刊号」があった。92年下期(10~翌3月)に平均14.4%だった視聴率は93年上期(4~9月)になると5.3%に急降下。ほどなく94年3月をもって番組が打ち切られることが決定した。
 18年間レギュラーとして出演したタレントの車だん吉(77)は「僕も富永一朗先生(故人)も『しょうがないんじゃないの』って言っていたが、鈴木義司先生(故人)だけは『掛け合ってくる』と社長へ会いにいったみたい。富永先生は『1度決まったもの。そんなことをしても無駄なんだからやめりゃいいのに』って言っていた」と振り返った。
◇最終922回目は地元で収録
 番組後期の収録は東京で行われていたが、94年3月27日の最終回はレギュラー放送では4年ぶりに地元の中京テレビのスタジオで行われた。

2021年9月26日に放送された特番「令和も!お笑いマンガ道場」の収録風景(中京テレビ提供)


 最終回は番組開始から922回目。既に制作局次長兼部長に昇格していた沢田さんは番組のラストに立ち会い、「出演者の高齢化もあり、20年くらいが区切りかなと考えていた。922回。あと1年半やったら1000回だった」と名残惜しんだ。収録後のスタジオでは関係者が集まってパーティーが開かれ、これまでの労苦がねぎらわれた。
 中京テレビでは今も独自制作の番組づくりに熱い。94年に上沼恵美子と高田純次のコンビでグルメ情報番組「P.S.愛してる!」が日曜夜にスタート。その後にタイトルが「PS純金」に変わり、おもてなしが過ぎる飲食店を紹介する番組内コーナーが特番を経て昨年4月に「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」としてゴールデンの全国番組として“独立”。同局では屈指の出世番組となった。

名場面集(中京テレビ提供)


 12年には売り出し中のお笑いコンビ「オードリー」を起用した深夜番組「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。(オドぜひ)」も19年から全国ネットに昇格した。
◇バラエティーの中京テレビの原点
 沢田さんは「名古屋第4のテレビ局。中京テレビらしさは自分たち現場の人間がつくり、積み上げてきた。今はネットでの配信もあり、ローカルからでも全国、世界に発信できる。デジタル化の波の中でローカル局の存亡が問われているが、バラエティーを楽しむという制作現場の気質は引き継がれている」。マンガ道場に端を発した「バラエティーの中京テレビ」は次々とヒット作を生み続けている。(佐藤芳雄)=お笑いマンガ道場の回は終わり
  ◇  ◇  ◇
◇皇太子時代の上皇さま夫妻も視聴していた
 ○…2代目司会者として17年間出演したフリーアナウンサーの柏村武昭(78)は、視聴率がピークだった1980年代に皇太子時代の上皇さま夫妻から番組を視聴していることをじかに伝えられたエピソードを明かした。
 83年ごろに行われた日本民間放送連盟の式典でご夫妻が臨席された際にあいさつする機会があり、「当時レギュラー番組を持っていたテレビ東京の代表として『柏村でございます』とあいさつをすると、美智子さまが皇太子殿下になにやらお話になり、『いつも拝見しております』とおっしゃられた。続けて皇太子殿下が『漫画って難しいでしょ』と」。当時を懐かしそうに振り返った。

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