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どんな強い横綱でも苦手力士の一人や二人…照ノ富士にとって大栄翔は不倶戴天の敵に【北の富士コラム】

2022年1月10日 05時00分

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大栄翔(左)の攻めを耐える照ノ富士

大栄翔(左)の攻めを耐える照ノ富士

◇9日 大相撲初場所初日(東京・両国国技館)
 あまり期待をしていなかった初日だったが、手に汗握る熱戦が続いた。
 これはうれしい誤算であった。新十両の北の若も新入幕の王鵬も元気いっぱいの相撲で、初日を飾った。まだ初日が済んだばかりではあるが、期待の力士が活躍すると自然と場所自体も良くなるものらしい。
 幕内の後半戦は良い顔触れがそろっているので好取組が多い。先場所大暴れの阿炎が、四つになると力を発揮する宝富士にまわしを許さず、一気に押し出した。先場所の勢いはまだまだ続いているようだ。舞の海君は早くも大関昇進を口にしているぐらいである。
 私はその手には乗りませんよ。もし今場所も10勝以上の勝ち星を挙げたときは考えてもいいだろう。しかし確かに阿炎は変わった。まだ27歳、今から一番力の出るころである。次期大関候補の力士たちはザッと7人ほどいるが、ほとんど26歳から28歳が多い。30歳になると力士は下降気味になってくる。今年がいかに大事な年になることを、しっかり意識することが肝要だろう。
 特に御嶽海はのんびりしてはいられない。新大関誕生といきたいところだ。初日はくせ者宇良を全く相手にしなかった。力的には大関の正代よりは上であろう。その正代は霧馬山に大苦戦。相変わらずの不安定な相撲は勝ち越しが精いっぱいだろう。
 その点、貴景勝は本来の鋭い押しで巧者で鳴る若隆景を一気に押し出した。好調と見ていいだろう。優勝だってあるかもしれない。その優勝候補照ノ富士がやや苦手になりつつある大栄翔に「あわや」と思わせるほど、攻め続けられて場内騒然となった。
 展望でも私は大栄翔は要注意と述べているが、まったくその通りの展開となった。脇を固め下から徹底的に押し上げる大栄翔に、まわしの引きたい照ノ富士だがどうしてもまわしが遠い。過去、どんなに強い横綱でも苦手力士の一人や二人はいたものだ。まさに照ノ富士にとって、不倶戴天(ふぐ)戴天の敵となってきたようだ。
 しかし照ノ富士は強い信念で決して引くような手段を用いず、あくまでも堂々と受けて立つ。これこそ横綱。さすがの大栄翔が攻め続けて体力を使い果たし、トドメの一押しができずに大魚を逃してしまう。
 一番の難敵を破った照ノ富士は2日目からの相撲は楽になってくると思われる。よく敗れて悔いなしというが、大栄翔は夜は眠れないほど自分を責めるだろう。私は初日早々良い相撲を見せてもらい満足だ。
 2日目からはのんびり仕事をさせてもらいます。80になると思うと、急に老いた気持ちが強くなったようだ。ここ2年、料理も俳句もやる気力が沸いてこない。読者の皆さんもあまり期待しないでもらいたい。
 場所から帰宅すると八角部屋のおかみさん?から生そばが届いていた。これはありがたい。早速、ゆでていただきます。少し体重が増えたようである。場所中に3キロ落とします。洋服が着られないのです。今場所は着物で通します。
 それでは寒さに十分気を付けてください。(元横綱)
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