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「困ったときの舞の海」早速電話を入れたが、無情にも電源が入っていない。万事休すである【北の富士コラム】

2022年1月8日 05時00分

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北の富士さん

北の富士さん

 光陰矢の如しとは良く言ったものだ。ついこの前、九州場所が終わったと思ったらもう初場所が始まる。コロナ禍も少し落ち着きを見せていたのでおだやかな気分で場所を迎えられると思っていたが、「オミクロン株」と舌を噛みそうなヤツが猛烈な勢いで日本列島を攻めて来ている。果たして相撲は取れるのだろうか。まだ予断は許されないが、一応展望だけはしておこう。優勝予想だけなら一言で片づいてしまう。
 優勝は照ノ富士。もし照ノ富士がケガでもして休場した場合は幕内力士全員が優勝候補である。以上。と言いたいところだが、それではあまりにもつれなかろう。つまらんものでも面白くするのが私の仕事でもある。それにしても情報が少な過ぎて困ったものだ。「困ったときの舞の海」。早速電話を入れたが、無情にも電源が入っていない。万事休すである。
 しょうがないので、照ノ富士の休場はないものと考えよう。優勝は照ノ富士と断言はするが、何も全勝とは言ってはいない。いくら照ノ富士が強いからといっても弱点はある。
 まわしを引くと盤石の照ノ富士だが、押し相撲の力士にはけっこうてこずっている。今場所はその押し相撲が三役に勢ぞろいしている。まず大関の貴景勝。九州は12勝を挙げてかつての勢いを取り戻しつつある。首の具合さえ良ければ立合いの当たりも良くなる。負けん気の強い力士だけに、照ノ富士も決して油断はできない。
 関脇隆の勝は押しに加えて差してからの出足にも見るべきものがある。明生も押し一本の力士ではない。差しても出れるし横への動きも鋭いものがある。確か、照ノ富士にも勝ったことがあるように記憶している。間違っていたらお許し願いたい。
 まだまだ押し相撲が続く。大栄翔の初日は照ノ富士と対戦する。九州では2日目に顔が合っている。確か、土俵際まで押し込んだと思うのだが、定かではない。年のせいか先場所の事はほとんど覚えてはいない。下手をすれば顔としこ名も忘れる時がある。とこぼしている場合ではない。どちらにしても大栄翔は照ノ富士との一番は特に力が入っているようだ。横綱といえども初日は緊張する。したがって初日は波乱が起きやすい。大栄翔はのど輪ではめることが多いが、照ノ富士の上体は柔らかい。横からの攻めも有効だろう。
 こうして見ると、三役だけでもけっこう強敵が多い。幕内上位にも若隆景や霧馬山、宇良、遠藤、玉鷲等々くせ者や強者がひしめいている。
 冒頭の照ノ富士に決まりは取り消していただきたい。それから、正代をすっかり忘れていたようだ。御嶽海にも大変失礼をしたものだ。特に、御嶽海は大関に一番近い偉い人である。気分を直して頑張ってもらいたい。正代は8番勝ってガッツポーズを取っているうちは駄目。
 今場所は大鵬関の孫・王鵬が入幕してきた。以前は大きな体を持て余していたが、前に出る相撲が多くなって来た。何しろ大鵬関の血を引いている。血は水より濃いといわれる。期待をするなという方がおかしい。期待といえば、八角部屋の新十両北の若にも注目してほしい。八角理事長は何とか自分の部屋から優勝力士を出すのが夢と聞いている。素材は申し分ない。死ぬ程稽古することだ。
 私も今年で80歳。先はそれ程長くはない。まだテレビでしゃべっているうちに入幕してほしいものである。それでは今場所が無事に行われるよう協会一丸となって頑張ってもらいましょう。それから、「はやわざ御免」を読んでいただいている皆さま、くれぐれも御自愛下さいますように。(元横綱)
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