中日文化賞 名古屋大大学院教授 寺﨑浩子氏

2019年5月3日 15時25分 (5月28日 11時18分更新)

難治性眼疾患の克服への挑戦 先端医療生かし成果

名古屋大大学院教授 寺﨑浩子氏

 臨床医として、高齢者に多い「加齢黄斑変性」のほか、未熟児網膜症といった難治性の目の疾患の治療に力を尽くした。海外の技術など新しい治療法を取り入れ、患者の視力確保に貢献するなど世界的な評価も高い。
 静岡市生まれ。幼少期は男の子に交じって野球で遊ぶ活発な少女だった。母親の親類に医師が多く、医療現場が身近にあった。
 小児科医だった義理の伯父はいつも本を読み「生涯、勉強だ」と話していたのが印象的だった。地元での信頼も厚かったため、自身の将来に影響を与えたという。
 金沢大医学部を経て、名古屋大大学院医学系研究科に進んだ。もともと外科医志望だったが、先端的な治療に挑戦する眼科に魅力を感じた。
 子育てをしながら、付属病院で数多くの治療に取り組む日々。「手術がうまくなりたいとの一心だった」と振り返る。
 最先端の医療を追い求めた。1990年代、国内で未熟児網膜症の治療法は十分に確立されておらず、手術しても、光が見えるくらいがやっとという例も。限界を感じ、米ハーバード大に渡って優れた技術を習得した。加齢黄斑変性の手術では網膜を回転する手法のほか、欧米で開発された新薬を組み入れて治療成績の向上に成功した。
 99年に名大医学部の基幹講座で初めての女性教授に。今でも年間300件ほどの手術を手掛けながら、若い医師らを指導する。「いろいろな人にお世話になったが、今度は私が恩返しをする番」
 4月に日本眼科学会の理事長に就任。超高齢社会を見据え、各地域で活躍する眼科医の育成に尽力するつもりだ。名古屋市千種区在住。64歳。
 (社会部・安田功)

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