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広がる平野の食と文化 「黒部川扇状地」入善町・文絵さん紹介

2022年1月4日 05時00分 (1月4日 18時30分更新)
入善町特産の入善ジャンボ西瓜が好物になった文絵さん=入善町で

入善町特産の入善ジャンボ西瓜が好物になった文絵さん=入善町で

  • 入善町特産の入善ジャンボ西瓜が好物になった文絵さん=入善町で
  • 「水田の中にぽつんとある感じが好き」と文絵さんが話す小摺戸神明社=入善町で(文絵さん提供)
 昨年四月、入善町の地域おこし協力隊の一員となった文絵さん(39)。町の食の魅力を高める陶器の制作や絵付け教室などに励み、陶芸家としても活動している。
 「山あいから海まで黒部扇状地の平野が広がる風景が一番好き。写真を撮ると、電線の上に見える山が覆いかぶさってきます。他にはありません。友人にSNS(会員制交流サイト)でつい伝えたくなります」
 お気に入りのスポットは同町小摺戸の水田の真ん中にぽつんとある小摺戸神明社。「フジの花が有名ですが、それ以外の季節にもよく行っています。夕日がきれいに見えるんです」
 入善に来て感じたのは食の多彩さ。「季節ごとに追っ掛けるのが大変。町で買い物をしていてヤガラという白身の高級魚があったんですが、その時しかない激レアな魚だと聞きました」入善に来て好きになった料理も多い。「べっこう(卵の寒天寄せ)は思わずスーパーで二度見しました。石川では『えびす』というそうですね」「ゲンゲのから揚げも食べました。『下の下』が語源とは信じられません」
 料理以外でも食に発見があった。「意外だったのはしょうゆが甘いこと。出身地の九州も甘いんです。西へ行けば行くほど甘いと思っていたのでうれしい誤算でした」「特産の入善ジャンボ西瓜(すいか)も何度も食べました。甘すぎず、筋っぽさはみじんもない。生産者のこだわりを感じます。一個分ぐらい食べたのでは」
 陶芸家としてみた町を「北陸新幹線駅まで車で十〜十五分程度。東京まで二時間半ほどで着きます。利便性が高いんです」と評価。「鮮やかな原色に灰色を加えた優しい、淡い色合いが好きなんですが、その好きな色が生活の中にあると思っています」と、町は芸術家の感性にも十分応えたようだ。
 町の嫌な点を聞くと「ごくたまにデリカシーに欠ける人がいることかな」と言葉を濁した。「永住する気満々なのに『いなくなる人』扱いをされると落ち込みます」とも。北陸の寒さについては「福岡から連れてきたネコは驚いていたようですが、私は大丈夫」と笑ってみせた。 (松本芳孝)

【プロフィール】文絵(ふみえ)=1982(昭和57)年、福岡県古賀市出身。中学時代に絵を描き始めた。総合旅行業務取扱管理者資格を取り、大手旅行会社に勤務。退社後、陶器に絵を描き、30歳から百貨店での展示販売を開始。基礎をやり直そうと、京都市で1年半、京焼・清水焼を学び、入善町に。


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