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【企画・NAGOYA発】川島なお美さんの登場で『お笑いマンガ道場』視聴率の伸び加速「家族的な雰囲気伝わった」

2022年1月2日 15時02分

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1982年からレギュラーとなった川島なお美の登場で、視聴率はピークを迎えた

◇鈴木義司vs富永一朗が人気
◇第3回「お笑いマンガ道場」(その3)
 中京テレビ(名古屋市、日本テレビ系)から全国へ広がった伝説の漫画大喜利番組「お笑いマンガ道場」。解答者を務めた漫画家の鈴木義司さん、富永一朗さん(いずれも故人)と、タレントの車だん吉(77)の3人が1976年の番組開始から94年の終了までレギュラーを続けた。中でも富永さんは全922回を「皆勤」した。
 札束を持つ金持ちキャラを自負する鈴木さんと、土管が“すみか”だと追及する富永さん。漫画家2人によるお約束の「バトル」はお茶の間の人気を集めた。
◇半端じゃない「漫画を描くスピード」
 初代プロデューサーの沢田健邦さん(74)は「ちょっと気取って、つっけんどんな時事漫画の鈴木さんと、決して能弁ではないけど漫画を描くのが大好き、タレント性を持った富永さん。2人はたまたま仲が良く、代える人が最後まで浮かんでこなかった」と話す。

1982年からレギュラーとなった川島なお美の登場で、視聴率はピークを迎えた=中京テレビ提供


 2人の共通点は「漫画を描くスピード」。1時間の公開収録の間に大量の漫画を描いた。そのため、鈴木さんがけがをした際は2本撮りの1本目こそ無理をおして出演したものの、2本目はさすが断念。この時は鈴木さんの席にパネルを置いて対処し、富永さんがパネルを蹴飛ばして盛り上げた。その後は一時、別の漫画家が代演した。
◇柏村武昭は「2人は好対照」
 2台目司会者の柏村武昭(78)は「2人は好対照。名古屋での収録へ僕たちと一緒に東京駅から新幹線に乗るのだが、ある時、鈴木先生はホームに来なくて、家に電話すると『きょう録りだっけ』と言う人。それでもなぜか収録には間に合ってしまう」と振り返る。
 富永さんについては「8時の新幹線なら、ここでモーニングを食べて何分かかるかときっちり計って、ホームまでの時間を逆算する人。筋を通す正義感の鈴木先生、富永先生は少し面倒くさい面もあった。それぞれのプラスマイナスがあったから合ったんじゃないかな」と思い出にふけった。

お笑いマンガ道場はネット局の要請で各地で公開収録を行った。写真は放送600回記念の愛知・西浦温泉での収録=中京テレビ提供


 最後までレギュラーを務めただん吉も「(最終回で)富永さんが『俺だけ皆勤賞だよ』って言ったら、鈴木さんが『田舎の学校によくいるよな。出来の悪いやつが学校だけ休まず来る』って返したら、富永さん怒ること、怒ること」と当時を思い出して笑った。
 だん吉は漫画家ではなかったが、画才にあふれ、富永さんの推薦を受けて日本漫画家協会へ入会したほどだった。
 定番だったのは番組の最後に設けられていた「おまけコーナー」。だん吉と女性レギュラーがコンビを組んで、視聴者からのはがきを読んで、関連したプレゼントを贈るというコーナーで、だん吉の発案だったという。
 沢田さんが「番組の雰囲気が変わった」と語ったのが、82年から7年間、3代目女性レギュラーとして出演した川島なお美さん(2015年、54歳で死去)の登場だった。名古屋市出身で青山学院大在学中の81年にラジオ番組「ミスDJリクエストパレード」に出演して人気になった。
◇川島さんは漫画のスキルも高く
 3代目プロデューサーでのちに中京テレビの社長になった山本孝義さん(70)は川島さんの起用について「レギュラーになる前に2度ゲスト出演をしていて、その時の漫画のスキルが圧倒的に高かった。センスもタッチもスピーディー。2人の先生とだん吉さんのトークも物おじせずいい感じだった」とした。

中京テレビでの収録風景。ゲストは伊藤克信=中京テレビ提供


 川島さんの登場で視聴率の伸びは加速。85年2月16日、86年2月22日の放送では、ともに歴代最高となる平均視聴率23.4%(名古屋地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。
 だん吉も「なお美ちゃんは打ち合わせの後いつも文章やイラストを描いていた。自分のエッセー本で自分のイラスト載せていましたから。機転が利く、頭のいい人でしたね」と話す。番組の収録後には他のレギュラーとともに川島さんの実家に招かれ、食卓を囲んだこともあったという。
 川島さんは大胆なラブシーンが話題を呼んだテレビドラマ「失楽園」やミュージカル出演など本格的な女優業を目指して89年に降板。一時期は公式プロフィルからお笑いマンガ道場の出演歴を消したこともあったが、レギュラー出演者との交流は続いた。
 沢田さんは「彼女の登場で、出演者の配置など長屋のような家庭的でポジティブなメッセージを送ることができた。名古屋出身ということもあり、名古屋らしさという点でも良かった」と当時を懐かしみ、柏村も「富永さんが父親、鈴木さんが母親。だんちゃんが長男で、僕は次男、なお美ちゃんたち女性レギュラーが長女っていう感じ。その家族的な雰囲気が視聴者にも伝わっていたんじゃないか」
 長寿番組を支えた出演者の絆を振り返った。
(佐藤芳雄)

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