エジプトでオリーブ不作、5割超減 冬場の気温上昇が原因か
2022年1月1日 05時00分 (1月1日 05時00分更新)
21年、収穫量5割超減
【カイロ=蜘手美鶴】地中海に面するエジプトで二〇二一年、オリーブの収穫量が前年と比べて五割以上減少したことが、エジプト農業省などの調査で分かった。前年の冬場に気温が上昇し、冷え込みが足りなかったことが原因とみられ、農家らは栽培方法の変更など対応に追われている。エジプトに限らず、地中海地域では近年、トルコで小麦の生産量が減少するなど温暖化で栽培される作物に変化が出ている。
カイロ近郊にある「フェファ農園」では二一年の収穫量が前年比87%減の約四百トンにとどまり、赤字額は千二百万エジプトポンド(約八千七百万円)に上った。
冬場の夜間の気温は例年、一〇〜一二度程度だったが、二〇年は一七度を超え、オリーブの不作につながったとみられている。
農場を管理するムハンマド・アルタハウィさん(64)は「今冬も気温が下がらなかったら、オリーブを育ててきた一年の努力が無駄になる」と不安を隠さない。
エジプト北部アルベヘイラ県の「オレイヤバレー農園」でも二一年の収穫量が前年比で90%近く減った。
同農園は地元の大学や政府機関と協力し、木の根を温めない肥料の開発や水の与え方、土壌改良や...
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