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【石川】太鼓道場 故郷へ恩返し コロナ禍 海外ツアー中止で決断

2021年12月31日 05時00分 (12月31日 10時58分更新)
太鼓道場で指導する槌谷雅也さん=石川県輪島市で

太鼓道場で指導する槌谷雅也さん=石川県輪島市で

▽輪島出身・槌谷さん 能登中心に開催
 「何かを頑張ること覚えて」

 世界各国で公演するプロの和太鼓集団「倭(やまと)−YAMATO」(奈良県明日香村)の一員で、石川県輪島市出身の槌谷(つちや)雅也さん(26)が、地元の能登を中心に太鼓道場を開いている。新型コロナの影響で海外ツアーが中止となり、故郷への恩返しを決断。子どもたちには「太鼓を通じ何かを頑張ることを覚えてほしい」と願う。(日暮大輔)
 市内の教室で三歳のころに太鼓を始めた。地元グループ「輪島・和太鼓虎之介」に加わり、演奏にのめり込んだ。「小学校低学年のころには将来の夢を太鼓打ちと決めていた」。虎之介で米国公演をしたこともあり「太鼓をやっていたらいろんな所に行けると思っていた」と振り返る。
 輪島高校に進学後、進路をプロ団体に絞った。いくつか見学したが、倭に強く引きつけられた。「人間の爆発的なエネルギーを感じる演奏だった」。倭は一九九三年に結成され、現在は二十人ほどが所属。明日香村で共同生活を送りながら練習に励み、国内外で演奏を披露している。
 二〇一四年に高校を卒業し、すぐに入団。毎朝十キロ走る基礎トレーニング、公演中は舞台袖で先輩の動きを見て素振りと息つく間もない日々を送り、二カ月後には初舞台に。「太鼓で世界中の人に元気を届けたい」。そんな思いも抱きながら、一年のうち六〜十カ月を海外で演奏する生活に明け暮れ、二十カ国で一千公演を重ねてきた。
 太鼓は祭りの印象が強い楽器だが、舞台でのパフォーマンスとしては歴史が浅く発展中という。「海外でオールスタンディングオベーションを何度も受けた。とても可能性のある楽器だ」と話す。
 新型コロナが世界で猛威をふるい始めたころは米国にいた。二〇年一月〜四月で五十公演以上を予定のツアー中だったが、半分を終えた三月に帰国。その後は海外公演はゼロになった。
 そんなとき心に浮かんだのは輪島のことだった。「自分を成長させてくれた場所。故郷があるから頑張れていた」。地域に貢献できる人間になりたいとの思いを強くし、戻ることを決意した。
 今後は国内での演奏に参加しつつ、地元輪島市や珠洲市、中能登町をはじめ、富山県小矢部市で大人から子どもまでを対象に道場を続ける。「いろんな出会いを経験して、人に寄り添えるようになっていく。そんな交流のきっかけをつくりたい」

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