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心肺蘇生 VRでリアル 白山野々市消防本部と先端大が開発

2021年12月29日 05時00分 (12月29日 11時15分更新)
開発したVRシミュレーターを使用する職員たち=能美市の北陸先端科学技術大学院大で(白山野々市広域消防本部提供)

開発したVRシミュレーターを使用する職員たち=能美市の北陸先端科学技術大学院大で(白山野々市広域消防本部提供)

消防庁の優秀賞 市民の救命活動を後押し

 白山野々市広域消防本部(白山市)と北陸先端科学技術大学院大(能美市)は、市民に傷病者に対して適切な救命行動をとってもらおうと、仮想現実(VR)を活用した訓練システム「市民心肺蘇生普及啓発用VRシミュレーター」を開発した。消防庁が優れた消防防災機器の開発などを表彰する本年度の消防防災科学技術賞で、シミュレーターは優秀賞に選ばれた。 (青山尚樹)
 消防本部や消防署は市民向けの救命講習を定期的に行っているが、参加者から「現場をイメージできない」との声が寄せられていた。臨場感のある状態で講習を受けてもらおうと、両者が協力して開発に取り組んだ。
 シミュレーターは、VRゴーグルを着けると、家庭内で人が倒れる映像が流れる。受講者はセンサーが内蔵された人形に対して胸骨圧迫(心臓マッサージ)による心配蘇生を試みる。署員らが人形に行った胸骨圧迫のデータを基に、人工知能(AI)が圧力やリズムを測り、受講者が的確な心配蘇生をできていたかを評価する。
 訓練システムを使った講習は、既に二回実施。参加者から「普段の講習では得られない体験ができて新鮮だった」と好評だった。今後は、交通事故の現場や介護施設などさまざまな場面を想定したVRを開発し、システムを進化させる。
 同本部で二十七日、開発に携わった職員十人の表彰式があり、功績をたたえた。表彰された白山消防署の松林大司さん(43)は「現場に居合わせた人の救命活動が尊い命を救う。普及することで市民の方が命を救う技術を高めてもらえれば」と話した。

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