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支縁の形<14> ブルーレイクプロジェクト(浜松市北区)

2021年12月29日 05時00分 (12月29日 10時32分更新)
「青ミカンシャンプー」を手にする夏目記正さん(左から3人目)ら「ブルーレイクプロジェクト」のメンバー=浜松市北区で

「青ミカンシャンプー」を手にする夏目記正さん(左から3人目)ら「ブルーレイクプロジェクト」のメンバー=浜松市北区で

  • 「青ミカンシャンプー」を手にする夏目記正さん(左から3人目)ら「ブルーレイクプロジェクト」のメンバー=浜松市北区で
  • 枝になる青ミカン。摘果したものは通常は廃棄される=浜松市北区で(夏目さん提供)
 シャンプーから、ほのかにミカンの香りがする。浜松市北区三ケ日町育ちの夏目記正(のりまさ)さん(40)が代表を務めるまちづくり団体「ブルーレイクプロジェクト」(同町)が、廃棄される地元の青ミカンを活用して開発した商品だ。来年一月から販売を始める。
 同プロジェクトは三ケ日町の自然に興味を持ってもらおうと、環境に優しい商品の開発や体験イベントを実施してきた。名前の由来は、浜名湖に通じる猪鼻(いのはな)湖から。夏目さんは「橋から飛び込んだり、釣りをしたりして遊んできた蒼(あお)い湖だったが、汚染が進んでしまった。かつてのようなきれいな湖であってほしいという願いを込めた」と話す。

◆廃棄が水質悪化に

 夏目さんが活動の柱として目を付けたのが、地元の三ケ日みかんだった。
 ミカンを生産する上で、良い果実を得たり、枝を保護したりするため、果実が小さなうちに間引く「摘果」は避けられない。摘果した青ミカンは、通常はそのまま地面に捨てる。青ミカンは糖分を多く含み、木の根を腐らせるため、土壌を消毒する必要がある。それが微生物などに影響して生態系が崩れ、湖の水質悪化の一因となっているという。
 廃棄と水質悪化の問題を少しでも解決しようと、最初は青ミカンを使ったクラフトビールを開発。肌や頭皮に良い成分が青ミカンに多く含まれると分かったため、化粧品製造「ナチュレル」(中区佐鳴台)の協力を得てシャンプーの開発を目指した。今年七月にクラウドファンディング(CF)で資金を募ると、三百五十万円を超えた。

◆品質に妥協しない

 八月末に三百五十キロの青ミカンを収穫し、取れたオイルはわずか六百ミリリットル。量は多くないが、オイルの質や香りに妥協しなかった。プロジェクトのメンバーで、アロマセラピストの池永ちこさん(48)は「アロマの質も良く、アミノ酸など他の素材も全て体に優しい。極端に言うと飲んでも大丈夫」と太鼓判を押す。
 夏目さんは「CFを通じ、環境問題への意識がある人や、三ケ日を応援したい人とつながることができた」と語る。三ケ日町で育ち、現在は北区都田で「加藤農園」を営む加藤寿成さん(39)も、その一人。「自分も環境に配慮した農業に取り組んでいる。実家がミカン農家で、廃棄される青ミカンを見てきたので、共感しました」
 CFの支援者には今月、返礼品のシャンプーが配送された。夏目さんは「現状では年間に三万六千トンの青ミカンが廃棄されている。シャンプーを使う方が増えてくれれば、三ケ日みかん自体のブランドも向上し、生産もより持続可能になると思う」と期待する。 (広瀬美咲)

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