校閲記者 中日新聞 鈴木千晴さん(「雑誌編集者」関連)

2020年2月22日 00時00分 (10月6日 13時02分更新)

原稿を確認する鈴木千晴さん=名古屋市中区の中日新聞名古屋本社で

 新聞社には記事を書く記者以外に、写真記者、紙面のレイアウトや見出しを考える整理記者、校閲記者がいます。校閲記者は、限られた時間の中で辞書やインターネットを駆使し、ミスを見つけ出すのが仕事です。小学生記者は、中日新聞名古屋本社の鈴木千晴さん(39)を取材しました。

ミスを逃さず読みやすく

 約四十人が所属する校閲部の本棚には、「異名・ニックネーム辞典」や「罵詈雑言辞典」など珍しい辞書も並びます。締め切りとの闘いなので、まずは電子辞書で調べ、気になるところは紙の辞書でも調べるそう。
 校閲記者は一つの記事を五~十分で確認します。鈴木さんが記事を読み進めると、すぐに「見つけました」。「任されて」が、変換ミスで「負かされて」になっています。地名は本当に存在するかを調べ、新聞に載せる地図も地図帳と照合。「記事の流れでこの言葉は正しいか、人を嫌な気持ちにさせないか、多くの視点から誰もが読みやすい新聞になるよう努力します」

紙面のチェック「何度も」

 新聞を印刷する前に、記事をレイアウトした「大刷り」が作られます。最初の大刷りを「初校」と呼び、校閲記者は、一ページを二、三時間かけて見ます。「一人ではすべてのミスを発見できません。みんなで何度も見ます」。校閲記者の指摘を反映した「再校」も複数人で確認。「再々々校」が出ることも。時間内に最善を尽くし、「校了」です。
 記者たちも挑戦しました。東山動物園市千種区)でのカナダヤマアラシ「ムック」の脱走を報じた記事を基にした模擬紙面。見出しをよく見ると「車山動物園」、写真説明は「つかまったシャンシャン」と十二個も誤りが隠れています。答えを見せ合って協力しました。
 ミスが見逃され新聞に載ってしまうと、新聞社は翌日以降の新聞に「訂正」の記事を出して正しく伝え直します。鈴木さんには、忘れられない訂正があります。「中日こどもウイークリー」に写真が載ったペンギンが、原稿に書かれているジェンツーペンギンではなくキングペンギンでした。「ご飯がのどを通りませんでした」。校閲部の本棚にペンギンの種類が一目でわかる本が加わりました。
 日本語が大好きで、大学時代は日本語教師を志した鈴木さん。オーストラリアと韓国で日本語を教えました。「日本ってどんな国?」と聞かれて、すぐに答えられませんでした。帰国して新聞を読み、日本や世界を身近に感じられるように。就職活動で校閲記者の募集を知り、入社しました。
 記者に新聞社のライバルを問われ、「インターネットだと思います。でも、ネットの情報は本当に正しいのか怪しいことも。読者の信頼を勝ち取っていきたいです」と力を込めました。(構成・石川由佳理)
<これまでの歩み>
2002年 南山大外国語学部日本語学科を卒業、オーストラリアの小中学校で日本語を教える
  03年 帰国し、南山大大学院に進み日本語教育を学ぶ
  04年 休学し、韓国の短大で日本語を指導
  05年 帰国し、大学院に復学
  06年 大学院を修了し、中日新聞社に入社
〈鈴木さんから〉
 「一度読んじゃったからもうおしまい」ではなく、あきらめない性格の人が向いています。保証、補償、保障など同じ読み方でも違う意味の言葉を勉強しておくといいと思います。
〈2019年7月7日掲載〉

鈴木さんを取材する小学生記者ら=名古屋市中区の中日新聞名古屋本社で

記者も校閲のお仕事を体験=名古屋市中区の中日新聞名古屋本社で

校閲記者が点検した大刷りと、確認作業に使う赤鉛筆や世界年鑑など=名古屋市中区の中日新聞名古屋本社で

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