グラウンドキーパー ナゴヤドーム 種村浩一さん(「プロ野球選手」関連)

2020年2月8日 00時00分 (10月6日 12時56分更新)

CDマークを仕上げる種村浩一さん=名古屋市東区のナゴヤドームで

 プロ野球の試合やイベントなどが開催されるドーム球場。日頃目にする機会は少ないですが、プロ野球選手が安心して、安全にプレーできるようグラウンドを整備するのが、グラウンドキーパーです。中学生記者は、ナゴヤドームの種村浩一(47)さんを取材しました。

最高のプレー環境を用意

 この日のナゴヤドームでは、日本生命セ・パ交流戦で中日と楽天が対戦。チケットは売り切れです。記者たちは、目を輝かせながらグラウンドに足を踏み入れました。種村さんが動き始めるのは、試合開始の約六時間前。サイドネットや人工芝の状態、バッティング練習用のケージの位置など全体を入念に確認します。
 大切な仕事の一つが、マウンドに中日ドラゴンズの「CD」マークを描くこと。プレートから1メートルの所に型を取るためのゴム製マットを敷き、ふるいで石灰を振り掛けます。記者も挑戦。「スイーツを作るようなイメージでやってみて」と種村さん。仕上げに手のひらで石灰を押し付けて、慎重にマットを外し、切れ目にも石灰を広げます。霧吹きで水をかけたら完成です。
 マウンドは、試合前にちょうどいい状態になるよう水分量を調節します。今季から、アメリカの大リーグ仕様に変え、これまでは国産の土でしたが、アメリカから土と粘土を輸入。土と土の間に粘土を敷き詰めることで投手が踏み込む位置が硬くなり、力を出しやすいそう。投手陣と話し合い、沖縄キャンプから取り入れました。

要望に応じマウンド仕上げ

 シーズン当初は、投手から「粘土が合わない」と不満も。要望に応じて土の硬さを調節し、無事好投した山井大介投手に「ありがとう」と感謝されたそう。不備のないことが当然の世界で、褒められることはなかなかありません。「初めての体験で、やってきたことが報われたと思いました」
 種村さんは2002年にナゴヤドームに入社し、11年にグラウンドを運営する部署へ。前任のグラウンドキーパーを手伝いながら技を盗みました。「ライン引きや整地は体で覚えました。気持ちがゆるむとラインも曲がります」。14年から正式にグラウンドキーパーになりマウンドを任されるように。今はドームに所属する唯一のグラウンドキーパーで、契約している別会社のグラウンドキーパーらの手配も担当します。
 試合中は三塁側の部屋から土や人工芝を監視し、3、5、7回裏に整地します。終了後はマウンドやブルペンの土をどかして粘土を補修し、次の試合に備えます。「選手に試合で最高の結果を出してもらえるよう、一番いい準備をするのが仕事。同じようにプロ意識を持ってやっています」。プロを支えるプロの熱い思いが伝わってきました。(構成・石川由佳理)
<これまでの歩み>
1996年 大学卒業、機械メーカーに就職
2002年 ナゴヤドームに転職。警備や駐車場を管理する部署、グッズ販売の部署で勤務
  11年 施設部に異動、前任のグラウンドキーパーを手伝いながら修業
  14年 マウンドなど全体を管理するグラウンドキーパーに
 <種村さんから>
 あいさつができて、野球の経験のある人が向いています。盗塁すると、土は飛び散って塁の反対側に増えます。投手や捕手、守備の動きを確認し、必要な整備を考える広い視野が求められます。
<2019年6月23日掲載>

種村さん(左)を取材する中学生記者ら=名古屋市東区のナゴヤドームで

試合直前にラインを引き直すグラウンドキーパー=名古屋市東区のナゴヤドームで

グラウンド整備に使う道具。中央はCDマークの型=名古屋市東区のナゴヤドームで

整備用の道具がそろう機材庫=名古屋市東区のナゴヤドームで

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