将棋のプロ棋士 澤田真吾六段(「ボードゲームデザイナー」関連)

2020年2月1日 00時00分 (10月6日 12時38分更新)

研修会で対局する澤田六段=名古屋市中区の板谷将棋記念室で

 若手の活躍で大きなブームが起こっている将棋。年齢や性別に関係なく競うことができ、プロとして活動する棋士たちはその頂点である「名人」や、各タイトルを目指して盤上でしのぎを削っています。将棋が大好きなこども記者たちの取材を、三重県鈴鹿市在住のプロ棋士、澤田真吾六段(27)が受けてくれました。

タイトル目指し真剣勝負

 八十一のますの中で四十個の駒を操り、知の限りを尽くして戦う棋士。日本将棋連盟に登録されているプロは百六十五人いて(十五日現在、女流棋士は除く)、「名人」をめざし、順位戦という昇格・降格のあるリーグ戦に出場します。他にも竜王、叡王、王位、王座、棋王、王将、棋聖というタイトル戦と、その他の公式戦に出場。主な収入は大会の賞金とランクに応じた対局料で、二〇一八年の賞金王は羽生善治九段でした。
 澤田真吾六段は、第七十七期名人戦・順位戦をB級二組で戦いました。対局は年間四十局ほどあり、その合間も勉強に大忙し。それでも「プロの将棋を感じてもらえたら」と子どもたちに胸を貸し、将棋の普及活動も大事にしています。そんな場のひとつ、名古屋市中区の板谷将棋記念室で日曜日に行われる「東海研修会」を、将棋が大好きな記者たちが訪ね取材しました。
 会場は、将棋盤を挟んで約三十人のプロを目指す棋士たちがひしめきます。パチリ、パチリと駒を置く音が響く中、澤田六段は飛車と角を落とすハンディを背負いながらも集中した様子。記者たちは真剣勝負の緊張を感じ取りました。
 質疑応答も、澤田六段の答えはよどみがありません。「三十手先くらいまで読めます。大切なのは二、三手先でも正確に読むことです」「好きな囲いは銀冠」「コンピューターは自分の公式戦の検証に使います」「道具にはこだわりがなく、勝負飯もありません。いつもコンビニ弁当です」「学校の勉強は将棋にはまったく役に立ちません」など、強くなるためのヒントがちりばめられていました。

最善の一手へ日々努力

 六歳で将棋を始め、ただ強くなりたいとのめり込むうちに、気付けばプロへの道を歩んでいました。関西の研修会から奨励会に入り、十七歳で四段に昇段。その後も順調に段を上げていきますが、「はっきり言ってプロになってからの方が苦しい」と明かします。「努力したから勝てるとは限らない。相手も努力している。勝っても負けても継続して勉強するしかない」。負け続ければ強制引退となる制度も重圧になります。
 「どんなに序盤を研究しても、結局未知の局面になるのが将棋の魅力。そのとき、最善の一手を指せる人が本当に強い人だと思う」と語ります。無限に広がる思考の世界で、ひとつの道を究めようとする考え方に記者たちも刺激を受けました。(構成・宮崎厚志)
<これまでの歩み>
2004年 関西奨励会に入会
  09年 高校2年で三段リーグで14勝4敗とし、四段に昇段
  13年 四段昇格後、公式戦で100勝し、五段に昇段
  14年 竜王ランキング戦連続2回昇級により六段に昇段
  17年 王位戦の挑戦者決定戦に進出
<澤田さんから>
 将棋が好きで、指し続けて強くなった結果、プロになりました。ただ、プロになる大変さを知っているので、みんなに目指してほしいとは思いません。だけどもし本気なら、努力し続けること、好きであり続けることが大切です。
<2019年3月24日掲載>

研修会で使われる盤、駒、対局時計=名古屋市中区の板谷将棋記念室で

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