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東本電気 東本 大志(たいし)さん(35)3代目 仕事も家庭も

2021年12月28日 05時00分 (1月26日 13時05分更新)
「仕事も家庭も両方取るのが僕の社長像」と語る東本大志さん=石川県小松市で

「仕事も家庭も両方取るのが僕の社長像」と語る東本大志さん=石川県小松市で

 祖父が創業し、現社長の父が発展させた石川県小松市で有数の電気設備会社の専務。これまでJR金沢駅の新幹線ホームや駅ビル、イオンモール新小松など県内の大型物件の工事に携わった。おっとりとした自らの性格を「建設業でなかなかいないタイプだと思う」と言い表す。「父のようにガツガツ働くことは期待されてない。仕事も家庭も両方取るのが僕の社長像」。その姿勢こそ、社員がより心地よく働ける未来につながると信じている。
 地元の進学校、小松高校を中退。大学入学資格検定に合格し、進学した都内の大学も退学した。「親はショックだったと思う。若い頃の僕は何かをする気力も器量もなかった」。これからの人生どうするのか。思い起こしたのは家業の存在だった。職業訓練校で電気工事の資格を取り、金沢市の大手業者に就職。職人の世界でもまれ、内に秘めていた負けず嫌いに火が付いた。あきらめることなく仕事を続け実家の会社に戻り、営業、設計、現場代理人とあらゆる業務を担う。
 建設業に携わる若者は減少傾向。「何となく理由が分かる」のは、職人の世界に残る風潮を体験したから。新入りにあえて「できないなら帰れ」と告げ、仕事を任せず補助に回す“体育会系”の現場を見てきた。「そこで反骨心を見せるやつは伸びしろがある、みたいに若手を少し試す。自分は悔しいと思える方だったけど、もう時代が違う」。若手の立場に立ちながら、業界の現状を分析する。
 休日は幼い二人の娘と映画を見て過ごす。自身は子どもの頃、朝から晩まで働きづめだった父の一郎さん(67)と遊んでもらった記憶があまりない。「自分が休みを取れるのは、父なりの思いがあるのかな」と配慮を感じている。
 だからこそ専務に就任した一昨年、真っ先に会社の働き方の改善に手を付けた。「楽にやれることはお金をかけた方が良い」と社用のスマートフォンを導入し、在庫管理を自動化。若い人が働きやすいよう分煙も実施した。「少しずつ業界が良い方向に変わったらいいなあ」。穏やかな口調だが、三代目を継ぐ将来を見据える。
 青年会議所(JC)にも参加し、地域貢献に携わる。思い描くのは、多忙な社長業の傍ら町内会長や団体の役員を務める父の姿。「僕にも地元を良くしたいとの思いがある。会社とJCの両方で実現していけたら」と願っている。(坂麻有)

【会社メモ】1948年創業。一般住宅や商業施設のほか、公共施設の電気設備や照明工事などを手掛ける。「見えない電気を形に変えてお客さまのくらしに幸せのあかりをともします」を経営の基本理念に掲げる。従業員は25人。本社は小松市蓑輪町。


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