シェフ エスコフィエ 細井周平さん(「和食料理人」関連)

2020年2月15日 00時00分 (10月6日 12時58分更新)

料理の盛り付けをする細井さん=名古屋市中区の名古屋観光ホテルで

 洗練された空間でおいしい料理を味わう。そんなすてきなひとときを提供してくれるレストランの厨房を取り仕切るのが、シェフ(料理長)です。名古屋市中区のフランス料理レストラン「エスコフィエ」の細井周平さん(44)をこども記者が取材しました。

「おいしい」のひと言を力に

 重厚感のあるレストランの扉を開くと、白いコックコート姿の細井さんが迎えてくれました。名古屋観光ホテルにあるエスコフィエは一九七二年、ホテルの新館開業とともに営業を開始。旧館にあった前身の店から受け継いだレシピや調理器具は、八十年以上の歴史があります。
 細井さんは原価計算をしながらメニューを決め、五人いる料理人の指導もします。定期的に変える基本メニューのほか、食材や予算などでお客さん個々の要望に応えるプライベートメニューも年に約百種類考えます。
 子どものころ両親が共働きで、自分でチャーハンなどを作った経験から料理の楽しさを知りました。小学校の卒業文集に「コックさんになる」と書いたそうです。現在の得意料理は牛肉の煮込み。ソースの仕上げ加減が腕の見せどころです。
 記者たちは髪の毛が落ちないようにヘアキャップを着け、厨房を見学しました。大きな銀色の調理台があり、料理を運ぶホール担当者が入れるのは、その手前まで。奥へ出入りする際は靴を消毒液につけて衛生管理をしています。「調理台に触ってみて」と細井さん。記者たちが触れると、温かいことに気付きます。調理台の片側にヒーターが付いていて、台や食器の温度を保ち、温かい料理を最適な状態で提供するのです。
 フランスの画家クロード・モネの絵画「睡蓮」をイメージした料理「舌平目の白ワイン蒸し 睡蓮」の盛り付けを見せてくれました。アスパラガスの上に舌平目の切り身を載せ、周りをワインとバターの白いソースで満たします。食用花や豆のつるなどをあしらうと、皿の上に絵画の世界が現れました。「色のバランスには特に気を使います」。市美術館で開催中の「モネ それからの100年」展と提携して考案したランチコースの一品です(いずれも七月一日まで)。

伝統を守り現代の要素も

 毎日テーブルを回りお客さんと言葉を交わします。常連客に「今日は駄目だった」と言われることもあり、「受け止めて次に生かします」。何十年も通ってくれるお客さんもいるので、現代の要素を取り入れつつフランス料理の伝統を守ることも大切にしています。舌が濃い味に慣れて味付けに影響しないよう、普段から自分の食事は塩味を控えめにしています。
 朝の仕込みから始まり、ディナーの営業終了後はメニューを考えるなど忙しい日々。原動力は? 「お客さまの『おいしかった』のひと言でがんばれます」(構成・辻紗貴子)
<これまでの歩み>
1990年 名古屋調理師専門学校に入学
  92年 同校卒業。名古屋観光ホテルに入社。ホテル内のカフェやレストランで経験を積む
2008年 エスコフィエの料理人になる
  15年 シェフに就任
<細井さんから>
 料理が好きなことはもちろん、まじめさも大切です。料理の基本を守り、細かい部分をおろそかにしないこと。それが味という結果に表れます。
<2018年6月10日掲載>

名古屋市美術館で開かれている「モネ それからの100年」展と提携した特別ランチコースの一品「舌平目の白ワイン蒸し 睡蓮」=名古屋市中区の名古屋観光ホテルで

細井さんが調理に使う包丁やピンセット=名古屋市中区の名古屋観光ホテルで

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