外交官 外務省 柴田愛子さん(「東京2020組織委員会」関連)

2020年2月29日 00時00分 (11月13日 21時43分更新)

中学生記者に仕事内容を紹介する柴田さん

 日々国際情勢が変化する中、他国との関係をより良くし、自国民が海外でも安全な生活や活動ができるように尽くすのが外交官です。中学生記者が東京・霞が関の外務省を訪れ、ペルシャ語を専門に活躍する柴田愛子さん(37)にお話を聞きました。

外国と日本の懸け橋に

 柴田さんは、まず記者たちに「皆さんはイランにどんなイメージがありますか」と質問しました。現在外務省には外交官として四十三言語の専門職員がいて、柴田さんはイランやアフガニスタンなどで話されているペルシャ語の専門職員。主に「在イラン日本国大使館」とのやりとりや現地に関係する情報収集などを担います。
 中東の湾岸地域にあるイラン・イスラム共和国は、イスラム法学者が治める珍しい体制の国です。古くは「ペルシャ」として栄え、ガラスの器やじゅうたんなどが奈良時代の日本にも伝わったといいます。
 記者たちは「国際的に孤立しているのでは」「治安が良くなさそう」などと印象を言いました。柴田さんは「あまりなじみがない国で、時にアメリカと緊張が高まることもあり、『危ない』という印象があるかもしれません」。でも「国防や経済を自国で担う力があり、首都テヘランにいて治安面で怖い思いをしたことはないです」。さらに、日本が輸入に頼る原油の85%が、イランとオマーンの飛び地に挟まれたホルムズ海峡を通るなど「この地域の安定や関係強化は日本にとっても大切」。なぜ日本にとってイランとの関係が大切なのか周囲に理解してもらうことも重要な役割だといいます。

会談の準備や通訳担う

 海外研修期間を含め四年間、イランの日本大使館に勤務し、日本文化を紹介する広報の仕事などを経験。現在は、外務省で湾岸諸国などを担当する部署で働いています。専門職員は、担当地域の政治経済から文化まで幅広い知識が必要で、日本と外国要人との会談の準備や通訳も担います。
 外国の人と仲良くするには「相手の国の文化や習慣を知り、尊重することが基本です。言葉は文化を深く知るための道具」。語学力を生かし、懸け橋として、相手の伝えたいことを引き出せるとやりがいを感じます。「知識や教養を深め、相手の立場に立って考え話し合うことの繰り返し」と柴田さん。「学校の勉強や芸術の教養など、積み重ねが将来につながります」
 大学でペルシャ語を学び、在学中に二回旅したイランの魅力に触れて「イランに関わる仕事に就きたいと思いました」と振り返ります。「イランの人たちは人懐っこくて、ペルシャ文化に誇りを持っています」
 どんな仕事を目指すにしても「本で知識を得るだけでなく、例えば実際にイランの人と話してみるなど一歩踏み出してみて」と呼び掛けました。・辻紗貴子)
   ◇
<柴田さんから>
 いろいろなことに興味を持ち、社交的な人が向いているのでは。日本の国益のためにさまざまな策を練るので発想力も必要だと思います。
<これまでの歩み>
 2001年 アメリカ中枢同時多発テロを機に中東地域に関心を持つ
   03年 東京外国語大に入学しペルシャ語を専攻。在学中にイランを2回訪れ歴史や文化などの魅力を知る。
   06年 外務省に入省
08~11年 在イラン日本国大使館で働く
11~13年 在アフガニスタン日本国大使館で勤務
   16年 外務省中東アフリカ局中東第二課に異動

国際会議なども開かれる会議室で柴田愛子さんを取材する中学生記者たち=東京都千代田区の外務省で

外交官が持つ外交パスポートやイランの通貨「リヤル」、柴田さんが使うペルシャ語辞典=東京都千代田区の外務省で

日本とイランの外相会談で通訳をする柴田さん=2017年、アメリカ・ニューヨークで)提供写真

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