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【企画・NAGOYA発】少年時代のダウンタウン・松本人志が投稿も…「お笑いマンガ道場」を全国区にした司会者交代の決断

2021年12月28日 07時56分

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お笑いマンガ道場の視聴率が名古屋地区で20%を超えたことを紹介した局内資料(中京テレビ提供)

◇1か月も、もたないかも
◇第3回「お笑いマンガ道場」(その2)
 中京テレビで制作された漫画大喜利バラエティー番組『お笑いマンガ道場』は愛知、岐阜、三重の東海3県をエリアとするローカル番組として1976(昭和51)年4月に始まった。番組初期はテレビ視聴者が少ない日曜昼の枠だったこともあり、名古屋地区の平均視聴率は平均5%台で推移した。
 レギュラー出演者だった漫画家の富永一朗さん(故人)は、番組の開始直後は「1カ月もたないんじゃないか」と危惧(きぐ)していたというが、番組の存在はじわじわと全国各地に知られていく。
 日本テレビ系の広島テレビが4月11日の第2回から不定期の放送をスタート。福島中央テレビも8月7日から順次放送を開始した。さらに大阪の準キー局・読売テレビが10月から金曜夕に放送を始めると関西地区での視聴率が10%を超えた。
 草創期のコーナー『素人マンガ道場』には、少年時代のダウンタウン・松本人志が投稿していたという。関西地区での高視聴率に手応えを感じると、2年目の77年4月から土曜日午後6時に放送枠を移す。同時に初代プロデューサーの沢田健邦さんは初代司会者だった人気落語家・桂米丸の交代を決断する。
 「米丸さんは優しすぎて、回答に対しツッコまない。どんな答えでも『いいですね』と受けていた。何度かお願いしたのですが」
◇柏村武昭の起用が大当たり
 さまざまな後任候補が挙がった中で、中国放送(広島)時代に地方局アナウンサーで初めてラジオ番組『オールナイトニッポン』のパーソナリティーを務め、フリー転身後も音楽系クイズ番組『クイズ・ドレミファドン!』の前身番組などを担当していた柏村武昭を起用した。

2代目司会者に柏村武昭を迎え、鈴木義司さん、富永一朗さんのバトルも好評に(中京テレビ提供)


 番組開始時から続く「鈴木義司VS富永一朗」も人気となり、「応募はがきがみるみる増えた」(沢田さん)。77年上半期(4~9月)に7.5%だった名古屋地区の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)は下半期(10月~翌年3月)に13.1%と尻上がりに上昇。12月には初めて20%を超え、沢田さんは会社から社長賞を授与された。
◇『早見優のアメリカンキッズ』が続く
 評判が評判を呼び、番組の販売を担当する編成部と東京業務部の奮闘で放送を希望する局は増える一方。関東地方は当時の上層部の意向からキー局の日本テレビではなく東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送され、新潟、長野、石川など当時日本テレビ系列局がなかった地域では、古参だったTBS系列局が相次いで放送を決めた。
 「数字を見て各局が番組を買ってくれた。視聴率が取れて結果的に安い買い物になったと評判が良かった。とてもありがたかった」
 80年3月に東京12チャンネルでの放送が終わり、同年10月から日本テレビでの放送が決定すると、ネット局は日本テレビ系列へと一本化されたが、番組を1度でも放送したのは独立U局を含め56局。日本民間放送連盟に加盟する地上波テレビ局127社の4割以上が放送したことになる。この面を見てもテレビ史に残る。

スタジオを飛び出して積極的に「出前」収録も。写真は放送600回記念で愛知県蒲郡市の西浦温泉で行われた公開収録(中京テレビ提供)


 「局としての歴史が若く、全てのセクションが手探りで、どうやって視聴率を取るか、どうやって稼ぐかを模索した。それまでお金を稼ぐのは事業と(CM枠を販売する)営業だったが、お笑いマンガ道場は番組を売る楽しさ、稼ぐということを覚えさせてくれた」。中京テレビ制作の番組はその後もヒットを続け、88~94年に放送された英会話教養バラエティー番組『早見優のアメリカンキッズ』は日本テレビなど全国18局で放送された。
◇『ごっつええ感じ』にゲスト出演
 番組収録は、東京制作部が誕生して1年後の90年に東京の浜町スタジオに移ったものの、それまでの約14年間は中京テレビの本社スタジオで行われた。数十人の観客を入れた公開放送で、番組は30分間だが、出演者が漫画を書く時間などを含め、1本の収録は1時間以上をかけていた。

お笑いマンガ道場の企画書


 司会の柏村は「解答者が書いている時は無言ではいけない。来ている観客も楽しませなきゃいけないということは大変でしたね。番組では決して出ないことをいろいろとしゃべって『さあ富永さんそろそろじゃないですか?』と聞くと『そんな早く書けるわけねえだろバカヤロウ』って返ってくる」とほほ笑んだ。
 92年11月にはフジテレビ系バラエティー番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』にマンガ道場のレギュラーメンバーがゲスト出演。かつてのコーナー『素人マンガ道場』に投稿し番組のファンだった松本人志が相方の浜田雅功とともにマンガ大喜利に挑戦。伝説の人気番組は系列を超えて愛された。(佐藤芳雄)

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