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【石川】コロナ新検査法 インドから一歩 北陸先端大 開発

2021年12月27日 05時00分 (12月27日 09時59分更新)
迅速で高精度の新型コロナ検査法を開発したビヤニ・マニシュ特任教授。使う機器(手前)も小型で安価だ=石川県能美市の北陸先端科学技術大学院大で(押川恵理子撮影)

迅速で高精度の新型コロナ検査法を開発したビヤニ・マニシュ特任教授。使う機器(手前)も小型で安価だ=石川県能美市の北陸先端科学技術大学院大で(押川恵理子撮影)

▽現場で判定15分、高精度
▽費用500円未満

 北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)などの研究チームは、新型コロナウイルス感染について唾液を採取した現場で十五分ほどで判定できる検査法を開発した。PCR検査並みの信頼性を試験で確認。検査コストも安く、五百円未満と見積もる。特に医療インフラが不十分な国で普及させ、感染症の世界的大流行を防ぐことを狙う。一月にインドで実用化の研究を始める。(押川恵理子)

実用研究経て「世界に広める」

 新たな検査法はPCRと同じように、ウイルスの遺伝情報を持つ物質のRNAとDNAを増やすことで、極めて微量のウイルスも検出できる。変異ウイルスはアルファ株、デルタ株の検出に成功し、オミクロン株への対応を進めている。
 PCRは高価な装置を使い、唾液などから採取した検体を九〇度、五〇度、七〇度の温度変化を三十〜五十回繰り返す。装置のある検査機関に検体を送ると、検査を受けた人が結果を知るまでに一日から一日半ほどかかる。
 同大などが開発した検査法は、検体を九〇度で約五分間加熱した後、試薬を加えて四一度のまま約十分間でRNAとDNAを増やせる。使うのは一つの容器と試薬、感染有無を示す紙、一万円ほどの小さな機械だけ。唾液を採取した現場で三十分以内に結果が分かる。こうした一定温度でDNAを増幅させる検査法は既にLAMP法など複数あるが同大が開発した方法はより信頼性が高いという。
 検査コストは五百円未満と見積もるが、臨床試験を実施中のインドで試薬を大量製造すれば、百円ほどに抑えられる可能性もある。現在使う試薬は液体だが、常温での輸送や保管を容易にするため粉末化を検討している。
 空港や駅、学校などで集団検査できる自動装置の開発も視野に入れる。同大発のベンチャー企業「バイオシーズ」(能美市)などはインドを拠点に一月、検査から十五分ほどで結果をスマートフォンに伝える仕組みづくりに着手する。京都大や九州大、日本航空電子工業(東京都)との共同研究でインドの医療機関や企業が協力するほか試薬製造で日本と欧米の企業が関わる。
 バイオシーズ社長で、北陸先端科学技術大学院大のビヤニ・マニシュ特任教授(酵素化学)は「新型コロナウイルスをインフルエンザのように病院で検査してすぐに治療薬を出せたり、自宅で簡単に検査できたりする仕組みを将来的につくりたい。インドで実用化のモデルをつくり、世界に広められたら」と話した。

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