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小松イ草 つながる人の輪 唯一の生産者・宮本さん「高齢者施設」「生花店」

2021年12月25日 05時00分 (12月25日 10時21分更新)
イ草を使った正月飾りに取り組んだデイサービスやたのの利用者やスタッフ=小松市矢田野町で

イ草を使った正月飾りに取り組んだデイサービスやたのの利用者やスタッフ=小松市矢田野町で

  • イ草を使った正月飾りに取り組んだデイサービスやたのの利用者やスタッフ=小松市矢田野町で
  • イ草農家の宮本健一さん(左)と「花の屋」の東野健一社長(中)=小松市日の出町で

正月飾り作りで協力「名産広めたい」

 小松市名産の「小松イ草」を使った正月飾りの製作に、小松、加賀両市の高齢者福祉施設が取り組んでいる。小松イ草の唯一の生産者の「宮本農産」=小松市白江町=の宮本健一さん(34)が依頼した。施設の利用者は、しめ縄を生花店に納めるほか、裁縫などの特技を生かした手作りの飾りを付けて販売もしている。宮本さんは「正月飾りの製作を続けて、多くの人に関わってもらい、小松イ草が広まれば」と期待する。 (井上京佳)
 小松市は日本のイ草産地の北限に位置する。小松イ草の生産は江戸時代に奨励され、五百五十年の歴史があるが、住環境の変化などにより、現在生産者は宮本農産のみ。宮本さんは小松イ草を知ってもらおうと、五年前に、同市日の出町の生花店「花の屋」と正月飾りの製作と販売を始めた。
 正月飾りの生産数を増やすため、昨年から小松、加賀両市で介護施設や就労支援事業を手掛ける社会福祉法人「共友会」が協力。今年は共友会の五施設の利用者が、二百本のしめ縄を編んだ。環状のしめ縄百個には、紅白のもち花や折り紙、水引、布花など華やかな手作りの飾りを付けた。
 昨年は三十個が一週間で完売したため、今年は販売数を大幅に増やした。
 小松市矢田野町のデイサービスやたのでは、八月から紙粘土で作るもち花や、布花などの飾り作りを始め、力のいるしめ縄は、スタッフを含む二、三人で編んだ。共友会のソーシャルワーカー吉岡夏紀さん(47)によると、工程の多い飾り作りでは、縫い物や縄編みなど、特技や自分のできる作業で関われ、利用者はやりがいをもって取り組めるという。利用者の女性(80)は「喜んでもらえるかなと思って作っている。飾り作りで趣味が引き出された」と話す。
 花の屋では、施設で作ったしめ縄を、ドライフラワーや綿花などで飾り、おしゃれに仕上げた。イ草を束ねて作る縦長の壁掛け飾りや、短く切りそろえたイ草にちりめん細工を添えた置き飾りも作っている。東野健一社長(48)は宮本さんと正月飾りのワークショップも開いており、「イ草で人とのつながりが年々増えてきた」と話す。
 共友会が手掛けた正月飾りは、同市蓮代寺町の道の駅こまつ木場潟と、同市日末町の直売所JAあぐりで販売。花の屋の飾りは、同店や野々市市本町の自然食品店「NOPPOKUN(のっぽくん)」、白山市の農業法人「六星」の直売店などで購入できる。

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