本文へ移動

ジャイアントキリングに挑む元J1名古屋守護神・伊藤裕二監督の中部大第一 子どもたちに感じた可能性【全国高校サッカー】

2021年12月24日 19時19分

このエントリーをはてなブックマークに追加
試合形式の練習を見守る中部大第一の伊藤裕二監督(左から2人目)

試合形式の練習を見守る中部大第一の伊藤裕二監督(左から2人目)

 今月末に開幕する第100回全国高校サッカー選手権大会に、中部大第一が愛知県代表として初出場する。率いるのは、元J1名古屋グランパスGKの伊藤裕二監督(56)。2014年の就任から8年目でつかんだ大舞台で、大番狂わせを狙う。
 練習場とする中部大学スポーツパーク日進(同県日進市)に近づくと明るい声が聞こえてきた。昔ながらの体育会系の雰囲気は感じない。「サッカーを楽しくやってほしい」。伊藤監督の方針が反映されている。
 しかし、試合形式の練習が始まると、笑い声は消える。パスが合わず本気で悔しがる選手たち。伊藤監督からは「後ろ取れ」「みんなでしゃべってね。やりたいことを伝えよう」などと端的な指示が飛ぶ。楽しくも厳しく。群雄割拠の愛知を戦い抜く戦略だ。
 伊藤監督は三重・四日市工高出身で、グランパス初のタイトルとなる1995年度の天皇杯優勝メンバー。2003年からの11年間はグランパスの下部組織からトップチームまでのコーチを歴任した。「子どもたちはやっぱり可能性がある。大人たちがどう関わるかにかかっている」。県3部リーグの同校が1部校を次々に破って全国切符をつかんだ実績が、言葉の重みを増す。
 影響を受けたのは、グランパスに初の栄冠をもたらし、英プレミアリーグのアーセナルで22年間指揮を執った名将ベンゲル。「彼は選手の練習中、どこにでもいた。ちゃんと見て評価されているのが分かった」と目配りの重要性を学んだ。
 今の3年生は当初、試合への姿勢がバラバラだったという。夏季合宿では相手チームと、ののしり合いをする始末。「おまえたちの好きにしたらいい」と突き放すことすらあった。自覚が芽生えたのは8月末以降。新型コロナ禍で4グループに分かれて練習することを余儀なくされる中、下級生を教える立場となり意識が変わった。
 初戦の大津(熊本)は、県3部から見ると4部上にあたる、U―18のサッカー界では最高峰のプレミアリーグWEST所属。10月にはグランパスU―18を5―1で破った強豪だ。ただ、主将のMF大嶽匠矢(3年)に「自分たちより格下は全国にいない。代表クラスの選手とやれるのは全国だけ。いっぱい吸収して、次につなげたい」と変な気負いはない。伊藤監督も「『こうしたら勝てるよ』とポジティブに伝えたい」と夢の舞台に挑む。
おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ