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接種証明アプリ 効果的に運用されるか

2021年12月20日 05時00分 (12月20日 05時00分更新)
 政府は二十日から新型コロナウイルスワクチン接種の電子証明書=写真=を導入する。スマートフォンにアプリで登録し、証明書を表示する仕組みだ。ただシステムの不備で間違った証明書が発行される可能性がある。効果的に運用されるのか、見極めが必要だ。
 電子証明書は海外用と国内用がある。政府の公式証明として、海外では七十六カ国で隔離や検査などが緩和され、国内では、飲食店やイベント会場での活用を想定している。感染拡大の防止と経済活動の両立を図るのが狙いだ。
 証明書に使用する個人の接種データは、国の「ワクチン接種記録システム(VRS)」で一元管理されている。市区町村や医療担当者が接種会場でタブレット端末を使って読み取った接種券(クーポン券)のデータが蓄積される仕組みで約一億人分が登録済みだ。
 しかし、接種券の読み取りエラーや担当者の入力ミスが起き、他人と取り違えられたり、未接種なのに接種済みになるミスが次々と明らかになった。デジタル庁によると、確認を必要とするケースは現在四百三十三万件に上る。
 自治体は、紙の予診票とVRSのデータを照合する膨大な事務作業に追われ、一部の自治体からは電子証明書の導入に「間に合わない」との悲鳴も上がっている。
 間違った証明書が発行されれば混乱を招き、三回目の追加接種にも悪影響を及ぼしかねない。政府と自治体は協力し、まずは正しいデータへの修正を急ぐべきだ。
 登録は本人確認のためにマイナンバーカードが必要となる。VRSがマイナンバーとひも付けられているためだが、国民の四割しかカードを持たない中、電子証明書導入を急ぐ背景にカードの普及率を上げる狙いも透けて見える。
 東京都や群馬県などの自治体や民間企業は政府に先行し、マイナンバーカードを必要としない電子証明書も発行している。
 政府が昨年導入した接触確認アプリ「COCOA」は不具合が相次ぎ、利用率が極端に低かった。ワクチン接種の電子証明書がCOCOAの二の舞いとなることはないのか、慎重な運用が必要だ。

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